■地域のつながりを強め、より一体感のある浜松市に。
未来を担う若者たちは、浜松の未来をどう見ているのでしょうか?ボランティアなどの社会貢献活動に積極的に参加している市内の大学生4人に集まってもらい、各々が感じるままに浜松市への思いを語ってもらいました。
◆取材に協力してくれた大学生の皆さん
浜松学院大学 3年 江部舞(えべまい)さん
常葉大学 3年 加藤太一(かとうたいち)さん
常葉大学 3年 浅野舜也(あさのしゅんや)さん
静岡文化芸術大学 4年 鈴木美香(すずきみか)さん
◇皆さんが感じる浜松の魅力や、「もっとこうなったらいいな」と思うことを教えてください。
鈴木さん 工業だけでなく、第1次産業から第3次産業まで盛んなことが魅力だと思います。一方で、比較的新しい職業であるグラフィックデザインの仕事など、デザイン関連で就職する場合は浜松を離れてしまう人が多い印象があるので、今よりもっと就職先の候補が増えるといいなと思います。
江部さん 私は大学で観光について学んでいます。浜松には魅力ある観光施設がたくさんあるので、もっとたくさんの人が訪れてくれるとうれしいです。紙で発行される観光マップでは、更新に時間がかかり、最新の施設が掲載されていない場合があるのがもったいないと感じています。ホームページやSNSなどを活用して、新しい観光施設を多くの人に知ってもらえる仕組みができるといいなと思います。
浅野さん 僕は高校生の頃から和太鼓の演奏活動をしていて、いろいろな地域のイベントに参加する機会があります。浜松では、皆さんが思っている以上にたくさんの魅力的なイベントが行われていると思います。しかし、地域に根付いたお祭りなどは他の地域の人はなかなか知る機会がないと思うので、住んでいる地域に関係なく人が集まるようなイベントが今よりもっと増えるとうれしいです。
◇長く住み続けるまちという視点で考えたとき、浜松がどんなまちなら「浜松に住みたい」と思う人が増えると思いますか?
加藤さん 浜松に長く住み続けるためには、市内で働ける環境が整っていることが必要だと思います。就職活動をしている中で、魅力ある企業がたくさんあることが分かったので、僕は卒業後も浜松で働き、浜松に住み続けたいと思っていますが、市外や県外の人が浜松を就職先として考えたときにどのように見えているのか気になります。
鈴木さん 市外、県外からの移住者が増えているという話を聞いたことがあります。浜松の魅力や、行政などが行っている移住や就職に関する支援をもっと知ってもらえれば、浜松に住みたいと思う人が増えるのではないでしょうか。SNSの発信では、興味がある人以外には情報が届きにくいと思うので、興味がない人にも知ってもらえるようなきっかけづくりが必要だと思います。
江部さん 私が所属している「NPO法人わたぼうしグランドデザイン」では、大学生が中心となって社会課題の解決に取り組んでいます。活動の一つとして、中山間地域における伝統芸能の継承を目的とした活動に参加し、天竜区春野町豊岡の勝坂神楽や、浜名区引佐町川名の川名ひよんどりなどで実際に舞を踊らせてもらっています。見に来てくれる人はたくさんいますが、少子高齢化により担い手が不足しているのが現状です。伝統芸能を継承していくことは、浜松に長く住み続ける人を増やすことにもつながると思うので、鈴木さんが言ったように、よりたくさんの人の目に留まるように発信の仕方を工夫していく必要があると思います。
加藤さん 僕は旧北区の出身で、子どものころに伝統芸能を見る機会はありましたが、実際に体験したことはありません。伝統芸能を次の世代に残していくためには、若者世代が気軽に体験できる機会が増えるといいのかなと思いました。
浅野さん 浜松は自然豊かな地域もあれば、都市機能が発達している地域もあり、どんなライフスタイルを送りたいかによって住む場所を選べることが強みだと思います。僕は旧中区の出身ですが、将来は浜名区や天竜区の自然豊かな地域に住んで、中央区の中心市街地で仕事するというライフスタイルもいいなと思っています。
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