地震や台風などの自然災害から身を守るためには、災害情報や避難情報を的確に入手し、適切な行動に移すことが大切です。現在は、インターネットなどを活用した災害情報の伝達が増えています。情報の入手方法や、それぞれの特徴を知り、いざという時にスムーズに活用できるよう備えましょう。
◆もしも今、地震が起きたら…
どんな情報が必要なのか、どんな方法で情報を収集できるのか考えてみましょう。
・どこで発生した?
・津波の心配は?
・避難したほうがいい?
○家では…テレビで!
○海辺では…防災行政無線で!
○車で移動中には…ラジオ放送で!
○外出先では…インターネットで!
■災害情報伝達手段の今と昔
災害が発生した時や災害の恐れがある時、最新の情報を得るためにテレビをつけたり、インターネットで検索したりする人が多いのではないでしょうか。
インターネットやモバイル端末(小型軽量で持ち運ぶことができる情報端末装置)が普及していなかった時代は、緊急の災害情報などを入手する方法は、主に市や消防局が屋外スピーカーを通して流す「防災行政無線」でした。テレビやラジオからも情報を得ることはできましたが、テレビやラジオから得られる情報は、広範囲に向けたものがほとんどで、地域に限定した情報の入手は困難でした。また、気軽に外へ持ち運ぶことができないため、屋外では防災行政無線に頼るしかありませんでした。
現在では、携帯電話をはじめ、テレビ、パソコン、タブレットなどさまざまな機器で情報を入手することができるようになりました。また、スマートフォンをはじめとしたモバイル端末を持っている世帯の割合は、96パーセント(2020年情報通信白書より)にもなり、どこにいても情報を入手することができるようになっています。
■市からの情報伝達手段も多様化
技術の進歩やライフスタイルの変化に合わせ、市民の皆さんが必要な時に必要な場所で、迅速・確実に災害関連情報を入手し、避難などの適切な行動に移せるよう、市ではさまざまな方法を用いて情報発信をしています(詳細は6ページへ)。
■情報の特徴を知って使い分けよう
情報の入手方法や種類には、それぞれに特徴があります。例えば、災害が発生した時や危険が迫った時に自動的に届く情報もあれば、自ら調べることで得られる情報もあります。必要となる情報の種類も時と場合によって異なり、災害発生時は命を守るための情報を端的に得ることが最優先ですが、災害発生から少したち、ある程度安全が確保されている状況では、より詳しい情報を得ることが重要になるでしょう。
状況によって適切に使い分け、自分が必要とする情報を的確に得ることが大切です。
◆【TOPICS】災害情報の伝達は携帯電話がメインに
市は、現在配信している「浜松市防災ホッとメール」に加え、4月からは新たに「LINE」による災害情報配信を開始します。
また、4月から防災行政無線の屋外スピーカーは、避難所となっている小中学校(市内全域)や、災害(津波、河川氾濫、土砂災害)の危険がある場所に設置し、災害情報を放送していきます。
携帯電話を持っていない高齢者世帯や、携帯電話の電波が届かない地域の世帯には戸別受信機を無償貸与します。
▽災害時の情報伝達について専門家に伺いました
大地震や大雨・洪水時に避難行動などを少しでも早く判断するため重要になるのが「情報」です。
近頃は、気象庁など多くの機関から、降雨の状況や河川の増水予測、地震の発生などさまざまな災害情報が提供されます。テレビやラジオ、インターネットを駆使すると、多くの情報がリアルタイムで入手できます。手元のスマートフォンには緊急速報メールで津波警報などが自動的に流れてきます。
身の回りにはさまざまな情報があふれ、聞き流してしまうことも多くあると思います。どのような手段で情報が流れてくるのか、必要な情報はどうしたら入手できるのか、一度確認しておくべきです。例えば、付近の川の水位がどのような状況になったら避難が必要か、市からはどんな情報が出されるのか、その時どう行動するのかなど、あらかじめ確認し実際に即した訓練をしておくことが重要です。
さらに、高齢者など情報が得にくい人には積極的に情報を知らせてください。いざという時には避難行動などをサポートすることも重要です。
静岡大学防災総合センター
特任教授 岩田孝仁(たかよし)さん
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