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■遠州織物
江戸時代から織物工業が盛んであった遠州地域は、綿織物の三大産地の一つとしても知られています。
表紙に写る「シャトル織機(しょっき)」は、およそ50年前から使われており、何千本もの経糸(たていと)を上下に交差させ、その間に緯糸(よこいと)をシャトルで通して織ります。最新の織機と比べると、糸をピンと引っ張らずにゆっくりと織ることができるため、糸の素材を生かしたふっくらと柔らかく味わいのある生地に仕上がるのが特徴です。
今では製造されていないこのシャトル織機ですが、今年で創業93年の古橋織布では、独自の風合いを守るため、自社でのメンテナンスができるように技術指導を受け、織機自体も大切に受け継いでいます。
古橋織布(有)社長の西井佳織理さんは、「ファストファッションも良いけれど、職人が携わる遠州織物にも目を向けてみてほしい。若い世代に技術を伝え、遠州織物を後世に残していきたい。」と話してくれました。
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