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人生会議─最期まで、自分らしく生きるために─・1

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静岡県浜松市

命の危機が迫るような病気やけがで、意思決定ができなくなったとき、あなたに代わって決断するのは、信頼する家族や友人などです。
その人たちに、何をしてもらいたいか、どのように心の声を伝えるか。
人生の最期にどう在りたいかを考えることは、「今をどう生きるか」を考えることにつながります。
最期まで自分らしく生きるために、大切な人たちと人生会議をしてみませんか。

■人生会議とは
人生の最終段階は、どこでどんなふうに過ごしたいか、どのような医療を受け、どのようなケアを受けたいか。
命の危険が迫った状態になると、およそ70%の人が、医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなるといわれています。そうなる前に、「もしもの時」のことを前もって考え、家族や主治医などと繰り返し話し合い、自分の考え方や望みを共有する取り組みを人生会議といいます。

■心の声を知ってもらう手段
「もしもの時」の意思表示といえば、終活の取り組みの一つにもある、事前指示書※を思い浮かべる人もいるかもしれません。事前指示書と人生会議の異なる点は、事前指示書は文書を残すだけであるのに対し、人生会議は周りの人たちと何度も繰り返し考え話し合いを行う点です。実際の医療や介護の現場では、さまざまなことが起こり得ます。指示書のみでは、本人が指示書に書ききれないことも多くあり、その場合は、本人の望む医療やケアが十分に提供されない可能性があります。また、本人の意思決定を代理で行う人が、指示書の内容や背景、理由などを十分に理解していない場合も、本人の意思は正しく伝達されません。
人生会議では、医療や介護などの専門職の人から適切な情報提供を受けた上で、本人が意思決定を行い、それを周囲と共有するための話し合いをします。話し合いの過程では、具体的な医療やケアの方法などに限らず、本人が大切にしている考え方や望みについて整理し、共有することが大切です。
※意思表示ができなくなったときに、生命維持治療をしてほしいか、してほしくないかを知らせる指示書

■送り出す人のためにも
人生の最終段階でも、治療の方法や最期を過ごす場所、受けたいもしくは受けたくない医療やケアなど、本人の意向を最優先にして選ぶことが理想です。それを、本人に代わり家族や友人などが決断しなくてはいけない場合、事前の話し合いで、本人の意思や価値観を知っていれば、意向を推測し、反映することができます。そのためにも、話し合いにより、信頼関係を構築することが大切です。
逆に、本人の意思を聞かないまま決断を任された家族などは、本人にとって最善の医療やケアが分からないまま選択することになります。家族内で意見が食い違ったり、本人が亡くなってから、希望どおりに送り出せただろうかと悩み続けたりすることもあります。
家族や友人など周りで支える人たちの心の負担軽減のためにも、人生会議は大きな意味があるといえます。

▽人生の最終段階の時期に受ける医療やケアに関する希望について(市内在住の65歳以上の人や介護認定を受けている人および事業対象者に調査※施設入所者は除く)

「浜松市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定に伴う実態調査調査結果報告書」(2020年3月)より

◆人生会議の進め方
気持ちが落ち着いているときに、じっくりと考える時間を持ち、大切な人と話し合ってみましょう。
「今はまだ知りたくない、考えたくない」という人は、無理に考える必要はありません。

▽ステップ(1):あなたにとって大切なことは何か、考えてみましょう
生きがいやこれからしたいことは、どんなことでしょう。また、親しい人を亡くした経験などを通じて、「こんな最期だったらいいな」と感じたことはどんなことでしょう。
例:家族や友人のそばにいること、少しでも長く生きること

▽ステップ(2):信頼できる人はだれか、考えてみましょう
あなたの価値観や考え方を大切にして、それに沿って話し合いをしてくれる人は誰か考えてみましょう。一人だけに決める必要はありません。
例:配偶者・パートナー、子供、兄弟姉妹、友人、医療・介護などの専門職の人

▽ステップ(3):信頼できる医療・介護などの専門職の人と話し合いましょう
あなたが希望する医療やケアについて、主治医や介護などの専門職の人と話し合ってみましょう。予想される今後の経過や考えられる医療やケアのメリット・デメリットの確認も行いましょう。
例:痛みや苦痛について、最期を迎えたい場所について

▽ステップ(4):話し合いの結果を周りの人たちに伝えましょう
話し合って決めたことは、伝えるだけでなく、記録し、周囲の人と共有することが大切です。また、その考えに至った理由や背景なども伝えましょう。

心身の状態や時間の経過により、気持ちが変わることはよくあります。何度でも繰り返し考え、話し合うことが大切です。

▼人生会議についてもっと知りたい人
市内の医療専門職の人などが、皆さんの地域に出向いて分かりやすくお話する「知って得するお出かけ講座」で、人生会議についてお話します。
詳しくは高齢者福祉課(【電話】457-2105)へ

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