■心のユニバーサルデザイン
UDに配慮した道路や施設などを整備するには限界があります。その足りないところを補うのが「心のUD」です。「心のUD」とは、みんなが思いやりの心を持って、相手の立場になって行動することです。どのような人がどのような不便を感じているのか、自分にできることは何かを考えてみましょう。
サルのユニバー:市民一人一人が自分ごとと考え、できることから始めよう!
◇せっかくUDに配慮して整備しても…
・点字ブロックの上に自転車などが置いてあると、目の不自由な人は前に進めなくなって困ってしまいます。
・駐車場が混んでいるからといって、身体障がい者用駐車場に停めてしまうと、本当に必要な人が使えなくなってしまいます。
◆こんな心のユニバーサルデザインがあります
困っている人を見かけたら、声を掛けよう
体の不自由な人が困っていたら、みんなで助けよう
目の不自由な人や高齢者と横断歩道を一緒に渡ってあげよう
高齢者や妊婦さんへ席を譲ろう
◆「心のUD」向上に取り組んでいます!
▽学校教育におけるUDの推進幼い頃からUDを学び、思いやりの心を育むことが大切です。浜松市では、小学4年生と中学1年生が総合的な学習の時間にUDを学んでいます。また、外国人や障がいのある人、高齢者などとの交流の機会も積極的に取り入れています。
▽「やさしい日本語」の活用
浜松市では昨年度『「やさしい日本語」活用の手引き』を作成し、外国人にも分かりやすい簡単な日本語で情報を伝えています。会話や書類の中の日本語を少し工夫や意識するだけで、外国人だけでなく、日本人にとっても分かりやすい日本語になります。
【例】「確認」→「よく見る」
「早めに」→「○月○日までに」
▽ユニバーサルマナーセミナー
心のUDを学び、行動できる人を育てるため、昨年度から「ユニバーサルマナーセミナー」を開催しています。さまざまな人への基本的な向き合い方や声の掛け方を学ぶだけでなく、ユニバーサルマナー検定3級の取得講座として受講者には認定書を交付しています。
※今年度の開催は終了しました。
◇コラム ここがすごい!浜松市のUD自慢!!
●全国に先駆けてすごい!!ユニバーサルデザインを条例化
浜松市では、平成15年に全国で初めてUDを条例化しました。UD条例では、「教育」を重視しており、学校教育や社会教育でのUDの推進に積極的に取り組んでいます。
●日本式点字を作った石川倉次さんは浜松市の出身者
目の不自由な人などが使う点字は、浜松市出身の教育者・石川倉次さんが作り、1890年11月1日に、日本式点字として選定されたものです。浜松市では11月1日を「点字の日」と定め、この日を含む週を「はままつユニバーサルデザイン週間」とし、啓発活動を行っています。
※今年は10月28日(月)〜11月3日(日)
サルのユニバー:浜松市はUDを推進する先進都市だったんだね!
■広める活動
◆子供も大人もUD博士に!ユニバーサルデザインについて学ぼう!
浜松市では、UDに関するさまざまな学習支援を行っています。基礎から学べる出前講座をはじめ、製品やサービスにUDを取り入れている市内企業による講座やUDに配慮した施設を巡る見学会など…。UDについて学べる機会を数多く用意しています。
▽UD施設見学
アクト通りや市役所などの公共施設でUDに配慮されたポイントをガイドが紹介。実際にUD見て、使いやすさや工夫を実感しよう!
▽企業のUD出前講座
ものづくりやサービスにUDを取り入れている市内企業の担当者が学校に出向き、実際の事例やなぜUDを取り入れているのかなどを紹介。
◆興味がある人大募集! ユニバーサルデザインの講師になりませんか?
UD施設見学や講座の講師である「UD学習支援ガイド」を募集し、育成しています。UDについて学びたい人や子供と触れ合うのが好きな人は、ガイドとして一緒に活動してみませんか?
◇intervew 子供たちへの学習支援を通じてUDの輪をもっと広げたい!!
UD学習支援ガイドの2人に話を伺いました
UD学習支援ガイドのことは、協働センターのチラシを見て知りました。UDという言葉は聞いたことがあるくらいで、ほどんど知識はありませんでしたが、UDについて学んでみたいな、子供と関わることができて楽しそうだなと思い、応募したのがきっかけです。
ガイド研修では、今まで自分が知らなかったUDの重要さを学ぶことができました。それを子供たちに伝えられることにやりがいや喜びを感じます。アクト通りなどの施設見学では、子供たちの素直な反応を見ることもでき、「すごーい!」「これもUDなの⁈」と目をキラキラ輝かせる姿にはこちらもうれしくなります。
浜松市は他市と比べてUDが普及していますが、市全体を見ると、UDが整備されていないところはまだまだいっぱいあります。そこで大切なのが「心のUD」です。UDがあってもなくても、思いやりの心があれば、みんなが住みやすいまちになります。自分自身もUDを学んだことで、行動や意識が変わりました。
子供たちに教えたことが、友達や家族に伝わり、UDの輪が広がってくれたらうれしいです。
◆思いやりがあふれる優しいまちを目指して
多様性が尊重される「共生社会」においては、国籍や年齢、障がいの有無などの違いのほかに、人権尊重の観点から、多様な性のあり方として性的マイノリティ(LGBT※)への理解促進に向けた取り組みが広がっています。
全ての人が住みやすいと思えるまちになるには、モノや情報の整備だけでなく、一人一人の特性の違いや多様性を理解すること、そして「心のUD」が不可欠です。
多くの人がUDを正しく理解し、思いやりにあふれた優しいまちになるよう、多様性を尊重し、心のUDを実践していきましょう。
※LGBTとは、L(レズビアン・女性の同性愛者)、G(ゲイ・男性の同性愛者)、B(バイセクシュアル・両性愛者)、T(トランスジェンダー・体の性別と心の性別が一致しない人)の頭文字をとった単語で性的マイノリティの総称の一つ
◎この特集に関するお問い合わせは、UD・男女共同参画課(【電話】457-2364)へお寄せください。
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