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特集 第12回浜松国際ピアノコンクール(1)

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静岡県浜松市

ハイレベルなピアノの演奏をここ浜松で

■浜松国際ピアノコンクール(以下「浜コン」)とは?
浜コンは浜松市制80周年を記念して1991(平成3)年にスタートし、以後3年に1度開催しています。世界を目指す若手ピアニストが第1次予選から本選まで、およそ3週間にわたり優勝を目指して競い合います。
今年は47カ国1地域から過去最多となる638人の応募があり、予備審査を通過した25カ国1地域の94人が11月9日(土)から始まる第1次予選に臨みます。
回を重ねるごとに認知度も高まっており、コンクールを通じて若手ピアニストの育成や国際交流がさらに進んでいます。
2021(令和3)年に開催予定だった第11回は、新型コロナウイルスの影響で中止となったため、今回は6年ぶりの開催となります。

https://www.hipic.jp

■浜コンをもっと楽しもう
今月の特集では、過去に浜コンに出場したピアニストや、ホストファミリー経験者、裏方として浜コンを運営する事務局、浜コンを楽しみにしているファンから見た浜コンの特徴や魅力に迫るとともに、「楽しみ方」を紹介します。
「コンクール」と聞くとハードルが高いと思うあなたも、浜コンを身近に感じ、3年に一度のこの機会を楽しんでみませんか。

■interview
◆第7・8回浜コンに出場した、浜松市出身の犬飼(いぬがい)新之介さん(ドイツ在住)に浜コンについて聞きました。

▽浜コンは海外でも有名なのでしょうか
海外のピアニストにも浜コンは高水準で大きなコンクールとして知られています。
ドイツの大学で学び始めたとき、ドイツの音楽仲間に自分の出身地が浜松だと伝えただけで「大きなコンクールのある所だよね」と言われて驚きました。現在一線で活躍しているピアニストの中には浜コンで優秀な成績を収めた人がたくさんいるので、それも当然のことかもしれません。

▽ピアニスト目線で浜コンの特徴や楽しみ方を教えてください
第1次予選の演奏時間が短いのが特徴だと思います。他の国際コンクールでは1時間近いプログラムを演奏する場合もありますが、浜コンの第1次予選の演奏時間は20分程度です。ピアニストはさまざまな時代の作品をどんな順番で、どこに重点をおいて選曲するかを考える必要があります。
お客さんの立場からすると、短い時間で多くの演奏を聴き比べることができるので、ピアニストごとの「色」を感じやすいと思います。出場者の情報をホームページやプログラムなどで予習しておき、演奏する曲のどこに重点を置いているのかに注目してみるのもおすすめです。

▽浜松の皆さんへメッセージをお願いします
コンクールという審査の場での演奏は、結果がついて回ることもあり、練習や演奏会とは違う緊張感があります。緊張しているピアニストにとって、声援や拍手が力になるのでぜひ会場に足を運んでいただきたいです。海外のコンクールの場合、出身国のピアニストが出場するだけで会場の熱気が高まることがあります。浜松市民として、浜コンを盛り上げたいという気持ちになってもらえたらうれしいです。

▽犬飼新之介さん(ピアニスト)
4歳よりヤマハ音楽教室に入室、6歳からピアノを始める。浜松国際ピアノアカデミー受講。桐朋学園大学首席で卒業、御前演奏を行う。桐朋学園大学研究科を修了後渡独。フランクフルト音楽舞台芸術大学でCatherine Vickers氏に師事、ドイツ演奏家国家資格取得コースを修了。東京音楽コンクール第1位、ハエン賞国際ピアノコンクール第2位およびスペイン音楽賞、ベートーヴェン国際コンクール第3位および聴衆賞など受賞。フランクフルトの大学で後進の指導にあたったほか、マスタークラスなどでの指導にも携わる。ボン・ベートーヴェン音楽祭、International Music Weeks Salzburgなどの音楽祭に招聘(しょうへい)。Genuin classics(ドイツ)よりCDをリリース。即興演奏を取り入れたリサイタルを行うなど新しいコンサートスタイルを展開している。

■浜コンファン流 鑑賞方法
2009(平成21)年開催の第7回から浜コンを鑑賞しており、ピアニストとしても活動している袴田麻純(はかまたますみ)さんに、ファン目線での浜コンの楽しみ方を聞きました。「ピアノに詳しくなくて、演奏をどうやって楽しんでいいのかわからない…」という人はぜひ参考にしてみてください。

◇お気に入りのピアニストを見つけよう
浜コン出場者は、すぐにでも世界で活躍できるようなレベルの高いピアニストばかりです。第1次予選中に「この人、好きかも!」と思う人を見つけ、勝ち進めるように応援してみるのもおすすめです。

◇ピアニストの指先・足元に注目
ピアノの音は鍵盤への体や腕の重さのかけ方、鍵盤を押すタッチの深さ、3つのペダルの細かな踏み分けなどで変わります。さまざまな音色とともに、指や足を巧みに操る技にも注目してみてください。

◇真剣に演奏する姿を応援
出場者が演奏に真剣に向き合う姿を見るだけで心を打たれます。あまり知らないスポーツのテレビ中継で、頑張る選手の姿に感動することと似ている気がします。ピアノやコンクールのことをあまり知らない人も、出場者を応援する気持ちで鑑賞してみてください。

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