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特集 木を使う。森とつながる。(1)

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静岡県浜松市

地元の天竜材を、もっと暮らしに取り入れてみませんか。天竜材を使うことは、浜松の森を守ることにつながります。今月は、天竜材を使っている施設の利用者や、林業に携わる人たちに、天竜材の魅力を聞きました。

◇地元で生産される天竜材
市内の森林面積はおよそ10万3千ヘクタールで、市域の66%を占めています。特に天竜川の上流域に広がるスギやヒノキの森林は、その美しさから「天竜美林」と呼ばれ、日本三大人工美林の一つになっています。
天竜美林から生産される天竜材は、国内有数のブランド材として、主に建築材料に用いられています。

◇FSC(R)認証林の面積は日本一
浜松市は2010(平成22)年に市内の6森林組合、市、県、国で構成される「天竜林材業振興協議会」でFSC認証※を取得しました。
市内のFSC認証林の面積は市の森林面積のほぼ半分にあたるおよそ5万ヘクタールあり、市町村別では全国第1位を誇ります。FSC認証材は、市内外の店舗や事務所、競技場、学校などで使用されています。
※FSC認証ってなに?
FSC認証とは「森林が適切に管理されているか」を、第三者が世界統一の基準に沿って審査・認証する制度です。FSC認証の表示がある製品は、適切に管理された森林から産出された木材を使用しています。
FSC(R)C057369

◆case 01
佐鳴台保育園(中央区佐鳴台三丁目)
今年7月に完成したばかりの園舎。構造や内装に天竜材(FSC認証材)をたくさん使っています。ウッドデッキでは、外遊びから屋内に入る前に休憩したりお茶を飲んだりして、園児たちが気持ちよさそうに過ごしていました。

▽voice
保育士 中村瑠美
新しい園舎は、木目のあたたかさが印象的で、とても明るい雰囲気です。園児たちは、「本物の木なの?」と木肌を触って確かめていました。保護者の皆さんにも香りがいいねと好評です。
園舎が新しくなってから、園児たちが木のロッカーに自分の荷物をきちんと整頓して入れていることにも驚いています。一人に一つ、木で作ってもらったロッカーだからでしょうか、物を大切に使う優しい気持ちが広がっていると感じました。
天竜材を身近に感じられるよう、今後、おもちゃなどでも取り入れていきたいです。

◆case 02
浜松学芸高等学校(中央区下池川町)
4月に完成した新校舎の音楽ホールでは、壁や床に天竜材(FSC認証材)が使われています。壁は、木を横に使った特徴的なデザイン。でこぼこした壁には、音を柔らかく拡散する効果があります。ステージの床には、節のないヒノキが使われています。

▽voice
河合澄莉(きより)さん(1年)、山本侑沙(ありさ)さん(1年)、杉山優菜(ゆうな)さん(2年)
ステージで楽器を演奏すると、自分の音がホール全体に響いて気持ちがいいです。地元の木材が使われていると聞いて、すごい!と思いました。
木がたくさん使われているので、明るく落ち着いた雰囲気の空間になっています。

■万博会場でも天竜材!
大阪・関西万博の会場で使われる予定の天竜材(FSC認証材)が、10月初旬に天竜区を出発しました。会場では、丸太の素材感を生かしたオブジェが作られ、天竜材をPRします。

・こんなところで天竜材が活躍しています
スターバックスコーヒー浜松城公園店では、天井や外壁に天竜材がふんだんに使われています。目に見える場所に木材を使うことで、森に包まれたような心地よい空間を作っています。住宅のみならず店舗や事務所などさまざまな場所で天竜材(FSC認証材)の利用が進んでいます。

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