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特集 安全・安心な水を、これからも。〜浜松市の上下水道の取り組み〜(1)

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静岡県浜松市

「水」は、飲料水や入浴、トイレなど、私たちの暮らしに欠かすことはできません。
今月の特集では、これからも各家庭に安全・安心な水を届けるために、市が取り組んでいることや今後の方針について紹介します。

■老朽化する水道管 頻発する漏水と震災による被害
近年、全国各地で水道管の老朽化などによる漏水が頻発しています。公益財団法人日本水道協会の調査によると、全国で毎年およそ2万件もの漏水を含む管路事故が発生しています。管路事故が発生すると、数日間の断水を余儀なくされる場合もあります。
2024(令和6)年の能登半島地震では、最大でおよそ14万戸が断水し、建物倒壊地域などを除いて断水の解消に5カ月間を要しました。石川県七尾市など能登6市町や内灘町の水道管路1kmあたりの被害率は、近年で特に被害率の高かった兵庫県南部地震に匹敵するなど、甚大な被害が生じました。

■耐震化を今後も着実に
市では、上下水道施設の老朽化対策に加え、耐震化を計画的に進めています。耐震化の現状を見てみると、損傷すると広範囲で長期間にわたって大規模な断水や濁水が発生する可能性が高い「基幹(きかん)管路」と呼ばれる水道管の耐震適合率は56・2%であり、全国の平均をおよそ10%上回っています。また、2025(令和7)年度の国の目標もすでに達成していますが、今後も引き続き着実な対策を進めていきます。

■2023(令和5)年度 水道基幹管路の耐震適合率

出典:国土交通省ホームページ

■市の上下水道はこのままで大丈夫?
浜松市上下水道部職員のヨシズミさんが、水道に関する疑問に答えます。


上下水道の仕組みを紹介している浜松市上下水道キッズサイト「すいすいクラブ」
【市HP】「すいすいクラブ」で検索

https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/suisuiclub/

◆水道管の老朽化対策と耐震化
▽ここ数年、水道管からの漏水などのニュースを見る機会が増えたと思うけど、大丈夫?

▽水道施設は、産業経済の発展などに対応するため、高度経済成長期に整備されたものが多く、全国に耐用年数(法定耐用年数は40年)を過ぎた管が多く埋まっています。
市では、2023(令和5)年8月に、中央区伊左地町で水管橋の空気弁の老朽化によって漏水が発生し、30mもの水柱が噴き出しました。

2024(令和6)年には中央区東若林町でも老朽化した水道管から漏水が発生し、道路が冠水しました。

このような背景から、漏水のおそれがある水道管の更新を集中的に行っています。
また、2019(令和元)年度以降、市内総延長およそ5500kmの水道管路について、5年間を目安に一巡するペースで漏水箇所の有無を確認する調査を行っています。これからも、デジタル技術を活用して調査の効率化を図りながら、漏水を早期に発見し、修繕を行うことで、道路陥没など重大な二次被害の防止を進めています。

▽水道管の耐震化はどのように進めていくの?

▽災害時に救護所を併設した避難所になる学校や医療機関など、災害時にも水が欠かせない施設を市内に99カ所設定しました。今後10年間で、こうした施設につながっている水道管や下水道管などの耐震化を完了します(下図参照)。その他の部分も、計画的に耐震化を進めます。

▽水道管の老朽化対策や耐震化などを進めていくためには、費用もかかるのでは?

▽老朽化対策や耐震化の取り組みを含め、市の水道事業は、水道料金を主な収入源として運営しています。しかし、近年は人口の減少などによって水道料金が減少傾向にあります。
市の水道事業は2022(令和4)年度以降、赤字が続いていて、収入と支出のバランスを見直さないと、2026(令和8)年度には、資金残高が底をつき、会社でいう「倒産」と同じ状態となるおそれがあります(左グラフ参照)。
そこで、2025(令和7)年10月から水道料金を改定し、今後も安定した水道サービスを提供できるよう、計画的に事業を進めていきます。

・水道事業の料金収入・資金残高の推移

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