文字サイズ

特集 できていますか?災害への「備え」(1)

1/33

静岡県浜松市

自然災害はいつ起こるか分かりません。だからこそ、日頃から防災意識を持って「備える」ことが重要です。今回は、いざという時に行動するための準備と、情報収集の方法について紹介します。

■近年頻発するゲリラ豪雨や大型台風 これまでは大丈夫でも…
ここ数年、気候変動の影響により、全国各地で予想を超える豪雨や大型台風が頻発しています。本市も例外ではなく、2023(令和5)年6月2日の豪雨では、1人の尊い命が失われ、確認されているだけで16戸の建物損壊、68戸の床上浸水、67戸の床下浸水の被害がありました。市が行ったアンケート調査によると、およそ97%の人が避難情報の発令を認識していた一方で、実際に避難のために行動した人は13%にとどまりました。土砂災害の危険性が高い区域に住んでいたとしても、多くの人が「過去の大雨でも浸水や土砂崩れが起きたことがないから大丈夫」と判断したのです。確かに、これまでは大丈夫だったかもしれません。しかし、過去の経験だけでは未来の安全を保証できないのです。

■命を守るための備え「わたしの避難計画」を作ろう
今まさに災害が起きたとき、あなたは行動できるでしょうか。備えは万全でしょうか。あなたと、あなたの大切な人の命を守るために、各家庭で「一人一人がいつどこに避難するのか」を事前に整理する「わたしの避難計画」を作成し、いざという時に慌てず避難できるように備えましょう。
今回の特集では、中央区にお住まいの深井さん家族が、実際に「わたしの避難計画」を作成する様子を取材しました。
「わたしの避難計画」のひな形と、作成ガイドは市公式ホームページからダウンロードできます。皆さんも下記手順に沿って、いざという時に備え、ぜひ作成してください。

■「わたしの避難計画」作成手順
◇まずは市公式ホームページからダウンロード!
「わたしの避難計画」と「作成ガイド」をダウンロードしましょう。
【市HP】「各家庭の避難計画」で検索
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kiki/hazard_map/timeline.html

◇1 避難に時間がかかる人がいるか確認しよう
家族の中で、高齢者や、体が不自由な人など、避難に時間がかかる人がいるかを確認します。深井さん家族の場合は、抱っこが必要なお子さんが1人でした。避難に支援が必要な場合は、親戚や近所の人など、支援してくれる人を記入し、あらかじめお願いしておきましょう。

◇2 自宅の災害リスクを確認しよう
ハザードマップで自宅の場所を探して、河川氾濫による家屋倒壊・浸水のリスクと、土砂災害のリスクを確認します。深井さんの自宅は、浸水リスクが低いことが分かりました。

2月にハザードマップを見やすくリニューアルしました。アイコンをクリックすると災害リスクが確認できます。
【市HP】「ハザードマップ」で検索
https://gis1.hbosai.com/bousai/app/index.html

◇3 避難のタイミング、避難先、情報収集手段を確認しよう
自宅の災害リスクによって、避難のタイミングや避難先は異なります。作成ガイド内の質問に沿って確認し、深井さん家族は「高齢者等避難」が発令されたら、「自宅の2階」に避難することが分かりました。また、市公式LINE、浜松市防災ホッとメールなどさまざまな手段で防災情報の収集ができることを確認しました。
※防災情報の入手方法は、4・5ページでまとめて紹介しています

◇4 巨大地震が発生した時の災害リスクを確認しよう
南海トラフ地震が発生した場合、市内では最大で震度7の強い揺れに見舞われ、沿岸部には津波が来るといわれています。その場合、自宅に津波が「来るのか」「来ないのか」、来ない場合は「市内のどこまで来るのか」をハザードマップで確認します。

◇5 避難のタイミング、避難先を確認しよう
手順(4)で確認したところ、深井さんの自宅は、津波が来る恐れがない地域でした。巨大地震が発生した場合、「自宅が傾いたり、壁や天井に大きな亀裂が入ったりして自宅が危険な時」には「近隣の小学校」に避難する必要があると分かりました。

完成した「わたしの避難計画」は、自宅の冷蔵庫など目に付きやすい場所に貼りましょう。

◆「わたしの避難計画」を作成した深井さん家族(中央区)
▽自宅や近隣の災害リスクが把握できました
もし、災害が起こった時に、どのような行動を取ればよいのかを整理することができ、安心につながりました。我が家の場合は、河川の氾濫が起きた時、すぐに外に出て緊急避難場所に逃げるのではなく、まずは自宅の2階に避難するのが安全だと分かりました。今回、初めてハザードマップを見て、自宅を含め、近隣の浸水や土砂災害の危険がどの程度あるのか分かりました。
自宅では災害のリスクがそれほど高くありませんでしたが、祖父母が住む地域は土砂災害の危険性が高い区域のため、「高齢者等避難」が発令されたら、すぐに安全な場所に避難するように伝えたいです。

◆防災学習センター(はま防(ぼ)〜家(や))副センター長 原田博子さん
▽「わたしの避難計画」は災害時に自分や家族の安全を守るための大切な準備
「わたしの避難計画」は身の回りの災害リスクに備え、「どのタイミング」で「どこに」避難するかを整理するもので、簡単な質問に答えるだけで手軽に作成できます。ハザードマップを活用し、地区ごとの情報を反映しているため、誰でも自分に合った計画を立てられます。
避難に時間がかかる人がいる場合は、特に注意が必要です。「高齢者等避難」の対象には、高齢者や体が不自由な人だけでなく、妊婦や小さな子供のいる家庭も含まれます。子供を抱えての避難や必要な持ち物の準備など、負担を考慮しながら、周囲と協力して行動することが大切です。
また、自宅が安全な場合は、とどまることも選択肢の一つです。これを機に、どう行動すれば安全に避難できるか考えましょう。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

       

広報プラスーはままつー

MENU