急病人や事故現場のところにいち早く駆けつけ、傷病者を医療機関に搬送する救急車。浜松市は、24台の救急車と401人の救急隊員を配備しており、24時間365日出動に備えています。
出動件数が年々増加する中、緊急度の低い119番通報が寄せられることもあります。救急隊員がすぐに現場に駆けつけ、かけがえのない命を救うことができるように、救急車の適正な利用について考えてみませんか。
▽命を守るための出動体制
浜松市内には7カ所の消防署と18カ所の出張所(以下、消防署)があります。
市内から119番通報をすると消防局(中央区下池川町)の消防指令センターにつながり、現場に一番早く到着できる救急車が出動します。
2024(令和6)年に救急車が出動した件数は、およそ4万4千件、1日当たり120回で、救急車が現場に到着するまでの所要時間は平均10分25秒でした。
◆状況を正確に把握するために、こんなことを聞きます
「火事ですか、救急ですか」
「住所を教えてください」※
「どなたが、どうされましたか」
「あなたのお名前と電話番号を教えてください」
【市HP】「119番通報」で検索
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/hfdjoho/disaster/shobo/shirei/index.html
※固定電話からの通報の場合、通報場所を瞬時に特定できます
携帯電話からの通報は、位置情報に誤差が生じるため、住所か、近くの建物・バス停・橋・電柱番号などを教えてください
スマホからの119番通報の場合、消防指令センターからビデオ通話をお願いすることがあります。通話をしながら、応急手当の方法などをお伝えします。
【市HP】「映像通報119」で検索
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/hfdjoho/20240101.html
■消防指令センターに119番通報
▽地点特定・救急車の選定
位置が特定できたら、専用の端末で現場にいち早く到着できる救急車を探します。
↓
▽出動指令を受信・出動準備
救急隊員が待機している消防署に、「○○区○○町、○○付近で急病」などと放送が流れます。
それを聞いた瞬間、救急隊員は待機場所から駆け出し、ヘルメットやマスク、水色の感染防止着を身につけ、救急車に3人一組で乗り込みます。
↓
▽現場に到着
病状や、けがの程度などを見て受け入れ可能な病院を選びます。
受け入れ先の病院が決まり次第、迅速に出発します。
通報から、現場到着まで平均10分25秒
↓ 必要な処置を行いながら搬送
▽病院に到着
患者の症状や経過を医師に伝えます。
必要があれば、院内で患者をCT台に移すなどの手伝いをすることもあります。
↓
▽消防署に戻る
戻る途中に、次の出動指令を受けることもあります。
■interview
◇日勤救急隊隊員へのインタビュー
日勤救急隊の隊員に、救急活動の実態や、仕事のやりがいについて聞きました。
▽日勤救急隊の勤務の仕組みは
市では、日中の出動要請が特に多いことを受けて、従来の24時間体制の救急隊に加えて、2024(令和6)年度から日勤救急隊を導入しました。
日勤救急隊は、日中の119番通報に、より早く対応することができるよう、8時30分から17時15分まで365日活動しています。また、子育てなどで24時間体制の勤務が難しい職員も活躍しています。
▽現場で心がけていることは
救急車を呼んだ患者さんとそのご家族は、とても不安な気持ちだと思います。現場では、一人一人に寄り添った対応を心がけています。
私たちはヘルメットとマスクで顔が見えにくいため、特に話し方や目線の高さには気をつけています。
▽仕事のやりがいは
患者さんやそのご家族から「ありがとう」と言ってもらった時はうれしいですね。自分の対応が患者さんやご家族の安心につながった、適切だったと確信を持つことができます。こういった経験を重ねることで、救急の技術をさらに高められます。
▽市民の皆さんへメッセージをお願いします
私たちは現場へ向かうおよそ10分の間に、通報内容から、搬送する病院や、患者の対応方法を話し合いながら向かっています。
救急車が着くまでに余裕があれば、保険証またはマイナ保険証※・お薬手帳の準備や、現場の外で救急車の道案内をしてもらえるとありがたいです。
いざという時は、ためらわずに救急車を呼んでください。私たちが駆けつけます。
※健康保険証利用登録がされたマイナンバーカード
<この記事についてアンケートにご協力ください。>
