■「中山間地域からまちを元気に」
皆さんは、浜松市の面積がどれぐらいか、ご存じでしょうか。2007年の12市町村合併を経て、現在の浜松市の面積は、全国の市町村で2番目に広い、1558・11平方キロメートルとなりました。伊豆半島よりも広い市域には、都市機能だけでなく、山、川、海、湖とさまざまな自然もあふれています。
この浜松市域のおよそ65%は、中山間地域と呼ばれる自然豊かな地域です。その美しい森林は水源を涵養(かんよう)するとともに、良質な木材を供給しています。また、豊富な水資源は、生活や産業に必要な水となるだけでなく、水力発電により再生可能エネルギーも生み出しています。この地域での生活は、豊かな自然の恵み、温かい人間関係、田楽や神楽などの伝統文化に囲まれ、その魅力は、近年では都会からの移住者を引き付ける力ともなっています。
その一方で、中山間地域では、人口減少や高齢化の進展をはじめとしたさまざまな課題も深刻化しています。
このように、魅力も課題もある中山間地域を活性化するため、本市では、中山間地域振興計画を策定し、さまざまな取り組みを進めています。現行の計画は今年度末で終期を迎えるため、現在、令和7年度からの次期計画の策定も行っているところです。計画の策定にあたっては、座談会の開催やアンケートの実施などを通じ、地域の皆さんの声を広く伺い、いただいたご意見をしっかりと反映していきたいと考えています。
また、今年度からは、新たな取り組みとして「みんなの中山間地域応援事業」をスタートし、この地域の課題解決や地域振興に資するアイデアを募集するとともに、具体的な事業のサポートも行っていきます。
中山間地域は、多くの課題を抱える地域でもありますが、天竜美林や清流を始め、さまざまな資源や魅力を持った地域でもあります。日本の地方全体の縮図とも言えるこのような中山間地域を活性化することがまた、浜松市全体の元気につながると考え、取り組みを進めているところです。
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