私たちの生活に欠かすことのできない水。
今回の特集では、浜松市の上水道・下水道の現状と、これからも安全・安心な水を届けるための取り組みを紹介します。
■上水道・下水道「水の旅」
川などから集めた水を浄水場できれいにして各家庭に届けます。使って汚れた水は環境を破壊しないように、浄化センターできれいにして川へ流しています。
■浜松市の水道管管路経年化率・更新率
■上水道・下水道の施設や管が老朽化しています
浜松市の上水道は1931(昭和6)年2月1日、下水道は1966(昭和41)年10月1日に事業を開始しました。
浄水場や浄化センターなどの施設や水道管・下水道管は長期的な計画を策定して更新を進めているところですが、老朽化のスピードに更新が追い付いていないのが現実です。
上のグラフは、浜松市の水道管の全長に対し、40年を超えて使われている水道管の割合(管路経年化率)と、1年間に更新した水道管の割合(更新率)を示しています。
直近10年間を見ると管路経年化率は16%ほど増加している一方で、更新率にはほとんど変化がありません。水道管は40年を経過したら直ちに更新が必要となるわけではありませんが、この状態が続くと老朽化がどんどん進んでしまいます。
仮に、現在のペースで、40年を超えて使われている全ての水道管を更新しようとすると、およそ200年かかる計算になります。
水道管の老朽化が進むと、水漏れによる断水や、水道管で発生した水あか・さびによる水道水の濁りなど、私たちの生活にも影響が出てきます。
■地震が起きた時の断水期間を短くするために
令和6年能登半島地震では、浄水場や浄化センター、水道管・下水道管の損傷が相次ぎました。
浜松市が復興支援に当たった石川県珠洲市では、発災直後およそ4800戸で断水が発生し、5カ月が経過した2024(令和6)年5月31日現在も1000戸以上の家庭で断水が続いています。
古い施設や水道管・下水道管の中には耐震性能が低いものもあり、使い続けると地震が起きた時の断水が長引く可能性があります。
浜松市では、水道管を地震に強い最新型のものへと更新する工事を進めています。
最新型の水道管は、管のつなぎ目部分が伸縮するため、旧型のものより外れにくい構造です(上図参照)。地震の影響で地盤が盛り上がったり、へこんだりしても、水道管が壊れるリスクを抑えることができます。
■耐震化の進み具合(令和4年度)
◇上水道上水道基幹管路の耐震適合率
◇下水道重要施設に係る下水道管路の耐震化率
[資料]
・上水道 厚生労働省ホームページから引用
・下水道 浜松市上下水道部
■計画的に更新・耐震化を図ります
浜松市の耐震化は、全国や静岡県と比べて進んでいる状況です(上グラフ参照)。浜松市では優先順位を考えながら、施設や水道管・下水道管を更新・耐震化しています。更新・耐震化には、市民の皆さんからの水道料金や下水道使用料を充てています。
今後も将来を見据えた整備計画をもとに、必要な財源を確保した上で、持続可能な上下水道事業の運営を続けていきます。
■令和6年能登半島地震における浜松市上下水道部の支援活動
発災翌日の2024(令和6)年1月2日から断水地域へ給水車を派遣しました。また、数カ月にわたって上水道・下水道の復旧作業に携わりました。
◇浜松市上下水道部職員の支援活動状況
3〜4人が一班になり、支援活動を行いました。
また、職員1人が5月1日から6カ月間の予定で、珠洲市での下水道復旧業務に当たっています。
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