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特集 農業を変える 農業×福祉の取り組み ユニバーサル農業に注目!(2)

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静岡県浜松市

■interview
30年前から障がいのある人の雇用を進め、長年にわたりユニバーサル農業に取り組んでいる京丸園の鈴木厚志さんにお話を聞きました。

▽障がいのある人を雇用したきっかけは?
農園の規模を拡大するために求人を出したところ、障がいのある人から応募がありました。当社の農作業には職人的な技術が求められるので採用は難しいと思い込んでいたのですが、保護者や特別支援学校の先生の熱意に心を動かされ、作業工程を一緒に考えていくことにしました。今では105人の従業員のうち25人が障がいのある人です。

▽ユニバーサル農業を始めてからの仕事の変化を教えてください
ユニバーサルデザインの視点を取り入れながら、「人を仕事に合わせるのではなく、仕事を人に合わせよう」と考え、農作業の工程や経営方法を見直しました。
障がいのある人が働けるようにしたことで、高齢者も働きやすくなり、女性や、引きこもっていた若者なども集まる農園になりました。現在では16歳から88歳までの幅広い年代の人が活躍しています。従業員が増えることで生産量を増やすことができ、売り上げも伸びています。
作業の見直しの例:
手先の器用さが必要だった作業を見直した。板状の道具を考案し、その道具を使うことで誰でも素早く正確に行えるようになった。

▽今後の展望を教えてください
多様な人を巻き込むことで強い農業形態をつくり、次の世代へ渡すことが経営者としての目標です。高齢化が進む中で、定年を迎えた人たちにもっと農業に携わってもらえたら、とも考えています。
・京丸園株式会社
代表取締役 鈴木厚志さん

◆交通事故による身体障がいのある従業員の鈴木潤一郎さんにお話を聞きました。
専門学校時代の研修がきっかけで京丸園で働き始め、15年になります。障がいのある人が所属する心耕(しんこう)部という部署のリーダーをやっています。うまくできなかったことができるようになると、達成感があります!仕事で困ったときは、一人で抱え込むことがないように、周りの人も相談しやすい雰囲気を作ってくれます。おいしい野菜を届けられるよう、これからも丁寧な仕事をしていきたいです。
・京丸園株式会社
鈴木潤一郎さん

ユニバーサル農業の取り組みを紹介する冊子や動画を、市ホームページから見ることができます!
【市HP】「ユニバーサル農業インタビュー」で検索
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/sangyo/shinko/nogyo/nogyo/univagri/suishintaisei.html

■ユニバーサル農業 20周年記念シンポジウムinはままつ 参加募集

◇シンポジウム
日時:2025(令和7)年1月30日(木)10:30〜16:30
会場:アクトシティコングレスセンター41会議室

◇スタディーツアー
開催日:2025(令和7)年1月31日(金)
内容:ユニバーサル農業に取り組む生産者などを巡る見学ツアー

◇農業と福祉の世界会議
・農福連携の先進的な取り組みが注目を集める浜松のユニバーサル農業を詳しく知る機会
・市内だけでなく国内や海外の取り組みを紹介

申し込みはこちらから
【市HP】「ユニバーサル農業シンポジウム」で検索
https://logoform.jp/form/Savd/697501

※QRコードは本紙をご覧ください。

・この特集に関するお問い合わせは、農業水産課へ(【電話】457-2333)

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