文字サイズ

特集 農業を変える 農業×福祉の取り組み ユニバーサル農業に注目!(1)

1/38

静岡県浜松市

浜松市は農業を営む上で、地形や気候、流通など恵まれた立地にあり、2022(令和4)年市町村別農業産出額(推計)は全国第6位を誇る全国有数の農業都市です。しかし、そんな浜松の農業にも従事者や後継者の減少、耕作放棄地の増加などの課題があります。今月は、農業の課題を解決するための方法の一つ、ユニバーサル農業を紹介します。

■農業と福祉の、いい関係 ユニバーサル農業
ユニバーサル農業は、福祉の視点や考え方を農業に取り入れて、誰でも農作業ができるようにする取り組みです。障がいのある人などの就労支援につながると共に、農業経営に変革を起こすきっかけにもなっています。全国的には「農福連携(のうふくれんけい)」とも呼ばれるこのような取り組みは、農業の担い手不足を背景に、近年、日本各地に広がっています。
障がいのある人と共に働く際、よく用いられる手法の一つに、作業を細かく切り出す「作業分解」があります。伝統的に行われてきた一連の作業を単純な作業に細かく分解することで、誰もが作業できるようにするのがユニバーサル農業の特徴です。
多様な人が活躍できるように、また、誰でも効率よくできるように作業工程を見直し、生産を拡大させるなど農業経営の発展を目指します。

○作業分解とは

一連の作業を単純な作業に細かく分解し、誰でも作業できるようにすることを作業分解と言います

■担い手をさらに多世代、多様な人々へ広げていく
市内では、福祉事業所が早くから障がいのある人の自立訓練に農作業を取り入れたり、農業者が障がいのある人の雇用を始めたりしていたことから、全国に先駆けて農福連携が始まりました。市は、2005(平成17)年に研究会※を発足。さまざまな農福連携の方法を研究し、普及・啓発を進めています。研究会はこれまで障がいのある人の活躍を中心に研究してきましたが、今後は対象を多世代、多様な人々に拡大し、ユニバーサル農業の可能性を広げていく予定です。
来年1月、ユニバーサル農業の取り組みを開始してから20年の節目を記念してシンポジウムを開催します。市内外の取り組みを紹介しながら、今後について考えます。ユニバーサル農業に取り組んでいる団体の見学ツアーも開催するので、興味のある人は、ぜひご参加ください。
※農業者、福祉関係者、企業関係者、学識経験者、県および市の各関係機関で構成する「ユニバーサル農業研究会」

○お互いにメリットのある連携

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

       

広報プラスーはままつー

MENU