■新年を迎えて
浜松市長 中野祐介
皆様には健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類感染症へと移行し、かつての日常が戻ってきた年となりました。浜松まつりでは、3日間の人出が記録の残る中では過去最多となり、また、大河ドラマ「どうする家康」の放送により、大河ドラマ館をはじめ市内の家康公ゆかりの地に多くの観光客が訪れ、浜松が大いに盛り上がるとともに、全国や世界に浜松の魅力を発信することができました。
一方で、豪雨による土砂災害や浸水被害、物価やエネルギー価格の高騰など、市民生活に大きな影響が続いたことから、国や県とも連携を図り、補正予算による対応や早期の復旧工事など、安全・安心の確保にもスピード感をもって取り組んでまいりました。
そして、本年1月1日から、新3区による浜松市がスタートしました。中央区役所、浜名区役所、天竜区役所と各行政センターにより、これまでと変わらない市民サービスを提供するとともに、持続可能な市政運営を実現してまいります。
私は、就任以来、「浜松から地方創生」を基本方針に掲げて市政運営を行っています。
浜松は、豊かな自然、厚い産業基盤、温暖で暮らしやすい気候風土、そして人柄に根付くやらまいか精神と、さまざまな面で、どこにも負けない魅力があり、ポテンシャルを持っています。しかしながら、そのような浜松においても、今、人口減少、少子高齢化が進んでいます。この流れを食い止め、転換を図り、浜松をもっと元気なまちにしていくために、「まち」「ひと」「しごと」の創生を一体的・総合的に進めてまいります。
まず「しごと」の創生に向けては、第1次・2次・3次産業のそれぞれにおいて、地域産業の強みを活かし成長促進を図ることが重要となります。
次世代輸送用機器、健康・医療、環境・エネルギー、光・電子、ロボティクスといった成長分野の新事業展開を支援し、また、デジタル人材などの育成を行うことで、地域の企業の稼ぐ力を強化してまいります。
農業分野においては、スマート農業の推進や農産物の高付加価値化により、元気な農業の実現を目指すとともに、林業分野においては、FSC認証材である天竜材の消費拡大や、カーボンクレジット創出による森林価値の最大化に取り組んでまいります。
また、「ひと」の創生に向けては、子育てのワンストップ窓口「こども家庭センター」において、全ての妊産婦、子育て世帯などの相談に対応し、さまざまな支援メニューにつなぐことで、切れ目のない子育て支援を行ってまいります。
また、就学前までの乳幼児にかかる通院医療費の無償化を本年4月から実現するための準備を進めるとともに、子育て世代が安心して働くことができる環境づくりに向け、保育園待機児童ゼロを継続するとともに、学校施設や近隣公共施設を活用するなど、放課後の子どもの安全な居場所として放課後児童会の定員拡大に努めてまいります。
そして「まち」の創生に向けては、ソラモや新川モールなどの公共空間を活用したイベントの開催やオフィス進出などの支援を行い、中心市街地のにぎわいを創出するとともに、中山間地域の魅力発信に取り組んでまいります。
今春、はままつフラワーパークと浜名湖ガーデンパークで浜名湖花博2024が、11月には第12回浜松国際ピアノコンクールが開催されます。このタイミングに、地域の伝統文化やスポーツなどの力も活かしつつ、浜松の魅力を市内外に発信してまいります。
このように、浜松をもっと元気にし、浜松の明るい未来を築くため、これからも全力を尽くしてまいります。また、浜松の現状や将来の方向性について、積極的に情報発信してまいります。市民の皆さまにも地域の未来に関心を持っていただき、多くの市民の皆さまが参加し支えあう共助型社会を構築していきたいと考えておりますので、本年も市政に対するご理解とご協力をお願い申し上げます。
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