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【特集】広げよう「子供の居場所づくり」の輪(わ)・1

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静岡県浜松市

地域のボランティアを中心に運営されている「子ども食堂」や「子どもの学習教室」は、食事の提供や学習支援だけでなく、幅広い世代が交流できる場にもなっています。今回は、そうした居場所づくりの事例を取材して紹介します。地域の子供の居場所について、考えてみませんか。

子ども食堂とは、地域住民や特定非営利活動法人(以下、NPO法人)などが主体となり、地域の子供やその家族に無料または低価格で食事を提供する場のことです。さまざまな事情により食事が取れなかったり、あるいは1人で食事を取らなければならなかったりする子供たちを対象に、この10年ほどで全国的に広がっている活動です。市内でも、市が把握しているだけで31カ所で開かれています(5月15日現在)。子ども食堂は、家庭や学校の他に安心して過ごせる子供の居場所としての役割も担っています。市では、2022(令和4)年度から子ども食堂の開設や運営に対する補助金制度を開始し、子供の居場所づくりを支援しています。また、地域の支援団体などに委託して「はままつ子どもの学習教室」を実施しています。授業の予習や宿題、テスト勉強などを、学習支援ボランティアが教えています。

この特集では、子ども食堂や子どもの学習教室を中心に、地域の人たちでつくっている子供のための居場所を取材しました。食事や学習、遊びの時間など、提供するものは場所によってさまざまです。しかし、昔に比べて近所付き合いや親戚付き合いが減ってきている現代において、子供たちが安心して過ごせる場所をつくりたいという思いは共通しています。あなたの町にもそうした場所があるかもしれません。家族や友達を誘って、訪れてみてはいかがでしょうか。

「子供の居場所づくりを手伝いたい」「食材などを寄付したい」という人に向けた情報を、広報紙10〜11ページの下部に掲載しています。こちらも併せてご覧ください。

■子ども食堂の事例紹介1
・食がつなぐ、地域の絆
中ノ町げんき食堂(東区中野町)
「地域の子供は地域で守ろう・育てよう」を合言葉に、小学校や自治会とも連携しながら活動している「中ノ町げんき食堂」。月2回の頻度で、金曜日の夜、中ノ町小学校に通う児童を対象に開かれています。会場となる食事処の店主が、寄付された食材を中心に、メニューを考案。手作りのご飯が子供たちに提供されます。
ご飯を食べた後は、遊びや勉強の時間として、2時間を自由に過ごします。一芸を持った地域の大人たちも参加して、折り紙を教えたり、手品やギターなどを披露したりします。
中学生になってからも、運営側として関わり続ける子供もいます。中学生の髙塚さんは、この場所の魅力を「他学年の子と知り合えるのが楽しい」と話してくれました。
中ノ町げんき食堂では、社会福祉協議会を通じて、子ども食堂を開きたい人の見学を受け入れていて、ノウハウも伝えているそうです。他の地域ですでに3カ所が開かれ、子供の居場所づくりの輪が広がっています。

▽主催者の声
民生委員として子供の支援が必要だと考えていたときに、食事処の店主から声を掛けていただいたことがきっかけで子ども食堂を始めました。5年を経て、地域の会社や生産者からの食材の寄付も増え、子供の居場所づくりへの意識の高まりを感じています。こうした活動が他の地域でも広がるといいなと思います。

■子ども食堂の事例紹介2
子供が笑顔になる「かわいい」ご飯
子ども食堂つむぎ(中区城北三丁目)
コミュニティカフェ「つむぎカフェ」を会場に、NPO法人プラチナライフサポート紡(つむぎ)が開いている子ども食堂が「子ども食堂つむぎ」です。子供が笑顔になることをコンセプトに、動物やキャラクターをモチーフにしたおにぎりなど、かわいらしい見た目の食事を提供しています。ビュッフェや手巻き寿司などのパーティ形式で行うことも。
代表の柏倉珠美(かしわぐらたまみ)さんは、ひとり親での子育て経験があり、こんな食の体験があったらうれしいと思うことを実践されています。調理師の娘さんがメニューを考えることも多いのだとか。
つむぎカフェでは、月1回の子ども食堂の他にも、子どもの学習教室やフードパントリー※、留学生と話すことができる英会話親子カフェなどを開催しています。取材に伺った日は、誰でも参加できる春祭りを開催していました。ボランティアの人たちが子供に優しく声を掛け、射的や輪投げなどの遊びを教えていました。
※フードパントリーとは:経済的事情で食料支援などが必要な家庭に対し、食料品などを無料で提供する配付会のこと

▽主催者の声
より困っている子供たちの支援をしたいので利用はひとり親家庭などに限定しています。子ども食堂の存在を知らない家庭もまだあると思うので、活動が広がって多くの子供たちに支援が届くよう願っています。また、フードパントリー事業をしていると地域の人から食品の寄付が届くことがあります。こちらも周知されるとうれしいです。

◆居場所づくりの助成について
子供の居場所づくり助成事業の募集を行っています。助成の内容などは市ホームページに掲載しているので、ぜひご覧ください。
【市HP】「子どもの居場所」で検索
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kosodate/2022302.html

◆子ども食堂に行こう!
市内の子ども食堂の一覧は子育て情報サイト「ぴっぴ」のホームページで確認してください。開催日程や対象者、利用方法などは、各場所によって異なります。
【HP】「ぴっぴ 子ども食堂」で検索
https://www.hamamatsu-pippi.net/tsunagaru/kodomoshokudo/kodomosyokudo/

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