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【特集】農業をテーマに地域の次世代人材を育成するプログラム「浜松ジュニアビレッジ」・2

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静岡県浜松市

■2022(令和4)年度浜松ジュニアビレッジ活動内容
1年を通じた主な活動を紹介します!

○土づくり・苗の植え付け(5月下旬〜6月上旬)
土中によい環境をつくる土づくりと、苗の植え方を学んだ後、自分たちの手で畝(うね)に苗を植えていきます
○収穫(10月上旬)
2022(令和4)年度は、およそ510kgもの紅はるかが収穫できました
○新商品の検討・販売戦略会議(9月〜1月)
商品を絞り込む際、味や価格、内容量、賞味期限、ターゲット世代、シリーズ化の可能性、浜松らしさなどの評価基準を列挙し、5段階評価で一人一人投票し議論を重ね決定しました
○商品販売会(8月~2月)
市内のマルシェをはじめ、春華堂の店舗やジュビロ磐田ホームゲームなど、さまざまな場所で販売会を行いました

◇【interview】中学1年生のときから、浜松ジュニアビレッジに参加し、今年度は全体をまとめる「社長」を務めている下位さんに聞きました!
・新たな商品開発に挑んでみて
下位崚介(しもいりょうすけ)さん【浜松西高等学校中等部2年生】
祖父の家庭菜園を手伝っていたことから、農業に興味があったため、浜松ジュニアビレッジに参加しました。
ここでは、受講生全員に役割があり、私は全体を取りまとめる社長を務めています。
2022(令和4)年度は、自分たちで考えた商品を作って売りたいという思いから、サツマイモを原料にした新たな商品の開発に挑みました。
それぞれが考えてきた商品案を項目ごとに点数化しながら、どういったモノが売れるのかを考えたり、みんなの意見を取りまとめたりすることは、とても難しい作業でした。しかし、この商品で勝負すると決まったときには、これまでに味わったことのない達成感を得ることができました。また、お店の販売員の人から、接客についても学ぶことができました。おじぎをするときの角度など、中学生では経験できないことを吸収することができました。
活動に参加するようになってから、多くのことに興味がわき、自分の視野に広がりを感じています。

■【ピックアップ】浜松ジュニアビレッジが開発した商品を紹介!
○冷凍スイーツ なめらか紅はるかの「琥珀(こはく)カタラーナ」
生地の部分に、浜松ジュニアビレッジで生産したさつまいも「紅はるか」を使用したスペイン風のプリン。濃厚な味わいの中に、サツマイモの風味が感じられます。冷凍のままでもおいしいですが、解凍時間によって、また違ったおいしさが楽しめます。
◎解凍時間で違いを楽しむ?!冷蔵庫での解凍時間
・解凍120分で…
アイスクリームのような口あたりに!
・解凍180分で…
プリンに近い、なめらかな食感と濃厚さが楽しめます!
○「さつまいもポタージュ」
新しいお土産物を目指して、春華堂とカタラーナを商品化し、ここまで順調にファンを増やすことができています。一方で4年目ともなり、主に中学生から「自分たちの力で新しい商品を作りたい!!」という思いが少しずつ芽生えてきました。
そこで、やらまいか精神でチャレンジしてみようと、2022(令和4)年度に収穫したサツマイモの一部を使って新商品「さつまいもポタージュ」を開発しました。2月から販売予定です。
・保育園の栄養士さんに安全・安心な食材にこだわったレシピ監修をお願いし、試食会を行い、味を調えました。
・パッケージデザインも地元在住のデザイナーさんにお願いし、グループワークを重ね絞り込みました。

◎商品はこちらから購入できます
→ジュニアビレッジプログラムオンラインショップ
https://jvglocal.thebase.in
【HP】「ジュニアビレッジ こども商店」で検索

◇【interview】畑の提供や管理など、ジュニアビレッジの活動に協力いただいている京丸園の代表鈴木さんに聞きました
・子供たちによるアグリビジネスの実践
京丸園(きょうまるえん)(株)代表 鈴木厚志(あつし)さん
日本の農業は、長い間家族経営が主流だったこともあり、収益よりも、とにかくよい農作物を育てて売ることが農業であるという考え方が一般的でした。しかし、今後も農業で生き残っていくためには、市場でどういった農作物が求められているのか、商品価値を生み出す農作物とはどんなものなのかなど、生産者自身が経営の視点を持つ必要があると思っています。
現在、浜松ジュニアビレッジの活動に協力させてもらっていますが、ジュニアビレッジの仕組みと、参加している子供たちの視点が斬新なものであることに、とても驚いています。私を含め多くの生産者は、品質のよい農作物をどうやって栽培するかに重点を置いています。しかし子供たちは、収穫した農作物がどういった利益を生み出すかまでを考えています。
「アグリビジネス」という造語があります。農業という意味のアグリカルチャーとビジネスを組み合わせたものですが、ジュニアビレッジの子供たちは、まさにアグリビジネスを実践しています。
日本の農業は転換期を迎えています。今後衰退していかないためにも、しっかりとしたビジョンと、知恵や工夫を持ち合わせた農業経営者の育成が欠かせません。企業や地域を巻き込んだジュニアビレッジのような活動が、農業の可能性の広がりにつながっていくことを期待しています。

◎この特集に関するお問い合わせは、農業水産課へ
【電話】457-2333

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