■地域の伝統文化で「まち」を元気に!
静岡県指定無形民俗文化財「横尾歌舞伎」の定期公演が4年ぶりに大勢のお客様をお迎えし、北区引佐町横尾の開明座(かいめいざ)で開催され、私も鑑賞させていただきました。
この度、「横尾歌舞伎」が「ダイドーグループ日本の祭り2023」に選定され、その歴史や概要、準備から定期公演の様子などがテレビで放映されることになりました。市内のまつりが選定されるのは、2005年の浜松まつり、2016年の舞阪大太鼓まつりに次いで、今回で3回目となります。
「横尾歌舞伎」の特徴は、役者はもちろん、三味線などの音楽、また、衣装・大道具・小道具に至るまで、全てが地域の皆さんによって準備されている点にあります。まさに、地域をあげて継承している文化となります。
このような地域の伝統文化は、浜松市内に数多く継承されています。紙面の都合上、全ての民俗芸能を紹介することはできませんが、五穀豊穣などを祈念する寺野と川名のひよんどりや懐山(ふところやま)のおくない、幻想的な仮面の舞が魅力である西浦(にしうれ)の田楽、佐久間町川合の八坂神社に伝わる湯立神楽の川合花の舞、中世起源とされる念仏踊りの遠州大念仏などが市内各地域で守り、伝えられています。
本市では、北遠の山々、天竜川、遠州灘や浜名湖など豊かな自然風土と人々の営みの中で民俗芸能が生まれ、伝えられてきました。これらの民俗芸能は、過疎化や少子高齢化の進行によって、後継者の育成や確保など、継承への仕組み作りが課題となってきていますが、地域をあげて伝統文化を継承する取り組みは、地域を元気にし、絆を強める力にもなります。
このような地域の伝統文化の継承なども通じて、「浜松からの地方創生」に取り組んでまいります。
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