■今月のテーマ 棚田めぐり〜ふるさとの風景〜
棚田とは、傾斜地に階段状に作られる水田のこと。山の多い日本では、古来、棚田での稲作が行われてきました。棚田では、湧き水などのきれいな水や昼夜の寒暖差のおかげでおいしいお米ができるといいます。
今月は、「つなぐ棚田遺産」に選ばれた市内の棚田3カ所を、保全している人たちのメッセージを交えて紹介します。今では貴重となった棚田の風景を見に、出掛けてみてはいかがでしょうか。
○家康くん:出発じゃ
◇地元の人の力で復活した棚田
白橿(しらかし)の棚田(北区)
鍾乳洞があることで知られる竜ヶ石(りゅうがし)山。その中腹にある白橿の棚田は、ハイキングのビューポイントとしても注目のスポットです。かつて耕作放棄されていた田んぼを地元の有志の人たちが復元し、棚田の風景をよみがえらせています。
・やれる範囲でやってみよう、と復田活動を続けて15年になります。ぜひ周辺の散策と合わせて棚田からの眺めを楽しんでください!
里山元気もりもり隊 戸田達也さん
〇イベント情報
ぐるっとハイキング:植物の説明を聞きながらハイキングコースを歩きます。年2回開催され、次は10月の予定。詳しくは竜ヶ岩洞ホームページで確認。
https://www.doukutu.co.jp
場所:北区引佐町田畑
駐車場:竜ヶ岩洞に駐車し、徒歩およそ30分
※棚田までの道のりを示したハイキングマップは竜ヶ岩洞ホームページで確認できます。竜ヶ岩洞券売所でも配布しています。
https://www.shizuoka-tanada.net/where/shirakashi
◇山並みと調和した棚田
大栗安(おおぐりやす)の棚田(天竜区)
本村(ほんむら)と檜曽礼(ひのきぞれ)という2つの地区に広がる大栗安の棚田。棚田と茶畑、民家などが点在し、昔ながらの里山の風情を感じることができます。
本村の棚田:上の田んぼから順に、1カ月ほどかけて田植えをしていきます。
檜曽礼の棚田:江戸時代中期に築いたとされる古い石垣が残っています。
・棚田のある場所としては比較的高い、標高450mほどの山中にあります。夏は山々の緑も深まり、吹き上げる風が気持ちいいですよ。農山村の原風景を今後も残していきたいです。
大栗安棚田倶楽部 鈴木芳治(よしはる)さん
〇イベント情報
棚田ウオーキング:毎年11月に開催。棚田を散策し、棚田米を味わいます。今年の予定は決まり次第「道の駅くんま水車の里」ホームページでお知らせします。
https://kunma.jp
場所:天竜区大栗安
※棚田の場所はホームページで確認
駐車場:栗砦館(りっさいかん)(天竜区大栗安216-3)
※稲刈りや草刈りなどのボランティアを歓迎しています。問い合わせは鈴木芳治さんへ。
https://www.shizuoka-tanada.net/where/ooguriyasu
問合せ:鈴木芳治さん
【電話】929-0520
◇多様な人が集う棚田
久留女木(くるめき)の棚田(北区)
久留女木の棚田は戦国時代に井伊家の保護のもとで開墾が進んだといわれ、今でも井伊家の家臣の子孫が耕し続けています。近年では、米づくりをしたい人を募って育成する「棚田塾」という取り組みをしていることも特色です。
・これからの時期は、水田に映る夕日や、稲刈り後の天日干しの風景などを楽しみに訪れる人が多いです。イベントなどを通じて棚田に興味を持っていただけたらうれしいです。
久留女木里山の会、竜宮小僧の会 西本有一(ゆういち)さん
〇イベント情報
稲作体験会:田植え時など年3回開催。
星空観察会:星のソムリエ(R)齋藤泰隆さんが案内する観望会。棚田は街灯などがないので星空を見上げるのに適しています。詳細は右のQRコードから。
※QRコードは広報紙をご覧下さい
https://m.facebook.com/Astoronomy.Guide/
場所:北区引佐町東久留女木・西久留女木
駐車場:徒歩8分ほどの距離にある旧久留女木小学校(北区引佐町西久留女木63-4)に駐車可能。
※地図はホームページで確認
https://www.kurumeki.com
■棚田の一年
5月中旬頃:田植えの準備
6月上旬頃:田植え
夏の間は草刈りや水の管理などを行う
10月下旬頃:稲刈り
11月上旬頃:
・脱穀
・もみすり
2〜3月頃:
・田おこし
・代かき
※3カ所の棚田に聞き取りをして作成
▼Check!「つなぐ棚田遺産」とは?
これまでの「棚田百選」に続き、積極的に維持・保全されている棚田を農林水産省が改めて認定する取り組み。2022年3月、全国で271カ所が認定されました。
https://www.maff.go.jp/j/nousin/tanada/tanadasen.html
◆訪問時の注意事項
棚田は私有地です。地元農家(地権者)のご好意で解放されています。マナーを守り、気を付けて散策してください。農家の人に会ったらあいさつをしましょう。あぜ道や農地、水路、宅地は立入禁止です。
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