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【特集】地域社会の共通言語「やさしい日本語」・1

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静岡県浜松市

■「やさしい日本語」で伝えるということ…
外国人と話すとき、あなたはどうしていますか?
広報はままつに、やさしい日本語で書かれているページがあることを知っていますか?毎月、巻頭ページに掲載している「新型コロナウイルス感染症に関するお知らせ」は、やさしい日本語で書いています。
やさしい日本語は、普段使われている日本語を簡単にしたもので、これにより、外国人をはじめ、お年寄りや子供などにも読みやすいページになります。
〇やさしい日本語の「やさしい」には、2つの意味があります。
一つは「易しい=(簡単)」という意味。
そして、もう一つは「優しい=(思いやり)」という意味です。

◆多国籍化する外国人市民
2021(令和3)年12月31日現在、浜松市に住む外国人市民は、およそ2万5千人(88の国と地域)です。近年はアジア系国籍者の割合が増加していて、多国籍化が進んでいます。
外国人市民が日本で安全に安心して生活していくためには、多言語による情報提供が必要となりますが、全ての言語に対応することは困難です。
▽浜松市に住む外国人の上位10の国と地域

(2021(令和3)年12月31日現在)

◆阪神・淡路大震災の反省から始まった「やさしい日本語」
1995(平成7)年に発生した阪神・淡路大震災では、日本語も英語も分からない外国人に対して情報の提供ができなかったことで、外国人の死亡率や負傷率が日本人よりも高かったという調査結果が報告されています。
こうした教訓をもとに、災害情報を迅速かつ正確に、そして簡潔に外国人被災者にも伝えるために、分かりやすい日本語で情報を提供する取り組みが始まりました。それが「やさしい日本語」です。

◆誰にでも分かりやすい言葉
「やさしい日本語」は、まず伝えたいことを日本人にも分かりやすい文章に変換します。次に外国人にも分かりやすく変換するという手順で作ります。
こうすることで、外国人市民だけでなく、日本人の高齢者や子供、障がいのある人にも伝わりやすく、分かりやすくなります。
さまざまな文化や言語を持つ人が、お互いを認め合いながら共生する社会を築いていくために、やさしい日本語はこれからのコミュニケーションツールとして注目されています。

■浜松市に住む外国人へのアンケート調査結果
(2021(令和3)年7〜8月実施)
日本語での会話ができたり、ひらがなやカタカナを読むことができたりする人はおよそ8割。これに対し、漢字を読むことができたり、日本語を書くことができたりする人はおよそ4〜5割でした。
この結果から、日本語での会話やひらがななどを読むことはある程度できるものの、漢字を読むことや日本語を書くことが苦手という人が多いことが分かります。

▽市内に住む外国人市民に聞きました!
●難しい日本語は何ですか?
日本に来て1年で、日本語での日常会話ができるようになりました。会話で困ることは減りましたが、敬語や方言があると、何を言っているのか分からないことがあります。数の数え方も種類がたくさんあって難しいので、簡単な数え方で言ってもらえると助かります。
BARUA(バルーア) PALASH(ポラッシュ)さん
(出身国:バングラデシュ)
・コンビニで
お箸はどうされますか?

お箸は要りますか?
・会社で
体えらくない?

疲れましたか?
・薬局で
食後に2錠服用してください。

ご飯を食べた後、2個飲んでください。

◇浜松の発展につながるコミュニケーションツール「やさしい日本語」
一橋大学 国際教育交流センター 栁田直美(やなぎだなおみ)准教授
日本人が普段使っている日本語は、無意識のうちに文章構造が複雑になっていることがあるため、ある程度日本語ができる外国人であっても、理解するのは、とても難しいことです。また、難しい日本語を自動翻訳したとしても、意味が通じない訳文になってしまうことがあります。
こうした課題を解決してくれるのが「やさしい日本語」です。やさしい日本語は、簡単な言葉を使い、シンプルな表現方法を用いるため、外国人にも伝わりやすい言語です。また自動翻訳に利用することで翻訳の精度が上がり、意味が通じる訳文となります。
他都市と比べて多くの外国人が住む浜松市では、外国人とのコミュニケーションが必要となる機会も多いと思います。外国人とのコミュニケーションツールとして、やさしい日本語の利用が広がっていくことが、さまざまな国や地域の人が住みやすいまちとなり、今後の浜松の発展につながっていくのではないかと思います。

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