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【連載】はままつ文化財の散歩道

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静岡県浜松市

■第3話 古代のお碗(わん)ザクザク出土
浜松市内では、これまでに一〇〇〇を超える遺跡が確認されています。遺跡にはお城や古墳など、目に見えるものもありますが、多くは地面の下に埋もれており、見ることができません。そのため、中には工事中に偶然発見され、存在が明らかとなった遺跡もあります。
浜北区麁玉(あらたま)地区は、平安時代中期(西暦九〇〇~一〇〇〇年ころ)に「灰釉陶器(かいゆうとうき)」と呼ばれる焼き物の一大産地として知られていて(宮口古窯跡群(こようせきぐん))、現在も一部の窯跡(かまあと)が良好な状態で現地に残っています。
二〇一八年、市文化財課に、麁玉地区の道路建設現場で大量の陶器が出土しているとの連絡が入りました。急いで現地に行ってみると、大量の陶器片が地面に散乱しており、未発見の窯跡の存在が想定されました。
「今すぐ発掘調査!」と意気込みましたが、偶然発見されたため、調査に必要な時間が確保できていません。工事に支障がない範囲で調査ができるよう、協力をお願いし、なんとか作業が始まりました。発掘調査は、職員を総動員。現場のすぐ隣では、工事の重機やダンプカーが走る中での緊急調査です。調査面積はわずか60平方メートルほどの範囲でしたが、一〇〇〇点を超える古代のお碗がザクザクと出土し、最終的には新しい窯跡の存在が明らかになりました。
市内には、私たちに知られていない遺跡がまだまだ眠っています。今後、皆さんの身近な場所でも新しい遺跡が見つかるかもしれません。どうか、足元にもご注目を。
(文:浜松市文化財課)

◆宮口古窯跡群出土資料は、市民ミュージアム浜北(浜北文化センター内)で展示しています。
【市HP】「大屋敷5号窯跡」で検索
詳細な情報はホームページにも掲載しています

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