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「歴史」「文化」「自然」を活(い)かしたまちづくりに向けて浜松市文化財保存活用地域計画・2

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静岡県浜松市

■関連文化財群
4つのテーマから、相互に結び付いた文化財の魅力を発信します
◇地域社会と古墳
市内には、赤門上(あかもんうえ)古墳(浜北区内野)、馬場平(ばんばのひら)古墳(北区引佐町井伊谷)、光明山(こうみょうさん)古墳(天竜区山東)、入野古墳(西区入野町)など広範囲にわたって古墳があり、出土品からはこれらの地域の当時の姿を推察することができます。
光明山古墳、入野古墳を中心に、各古墳・遺跡の環境整備や出土品の整理、基礎研究を進め、シンポジウムなどを開催して、研究成果を示します。
◇中・近世から続く祭礼・芸能
中世の頃から交通の要衝(ようしょう)として栄えた浜松は、人、物、情報の交流が盛んで、さまざまな文化や風習に触れる機会が多くあり、各地で田楽、念仏踊り、各種祭礼、農村歌舞伎など多様な伝統芸能が生まれました。
無形民俗文化財を確実に伝承していくため、祭礼や公演の一部を子供が担うサポーター制度などの担い手育成支援、民俗芸能に触れるイベント開催などのPR活動に取り組みます。
◇戦国大名たちの攻防
戦国時代の市内の領域では、今川、徳川、武田、豊臣といった有力大名が領地をめぐる攻防を繰り返したため、各所に城跡や古戦場など関連する文化財が数多く残されています。
浜松城跡と二俣城(ふたまたじょう)跡・鳥羽山城(とばやまじょう)跡を中心に、発掘調査・研究を続け、現地説明会を開催し、ガイドブックなどを作成します。また、徳川家康と関連する文化財について、広く情報を集め、観光や産業振興につながる情報発信にも努めます。
◇秋葉信仰と秋葉街道
武運長久(ぶうんちょうきゅう)や火伏(ひぶせ)を祈願する秋葉信仰は全国的に知られ、秋葉山や秋葉街道沿いには信仰にまつわる文化財が多く残されています。
市民の皆さんと協働して総合的な調査を行い、秋葉信仰に関する民俗・歴史などの調査成果や魅力をガイドブックにして、広く市内外へ情報発信します。また、関連文化財群を回る見学ルートを設定し、秋葉信仰関連ガイドツアーの開発に取り組みます。

■文化財保存活用区域
国指定の重要文化財・史跡がある4つの地域を設定し、魅力あるまちづくりにつなげます
A.浜松中心区域
蜆塚遺跡、伊場遺跡、入野古墳、浜松城跡、浜松城下町など縄文時代から現代に至る浜松4千年の歴史をたどる文化財が集中する地域。
B.表浜名湖区域
東海道の往来や浜名湖の恵みと共に歴史を築いてきた地域。中村家住宅や東海道舞坂宿などの文化財があり、ノリやウナギの養殖、採貝や角立て漁など浜名湖と一体となった景観が広がる。
C.奥浜名湖区域
銅鐸(どうたく)、古墳、文化財建造物、仏像などの美術工芸品、名勝庭園、城跡群、姫街道関連史跡、正月行事や農村歌舞伎などの民俗芸能といった豊富な文化財が残る地域。ミカン栽培と浜名湖が織りなす景観や、浜納豆や郷土菓子「みそまん」などの食文化にも特徴がある。
D. 天竜二俣区域
ヤマとサトをつなぐ地域。街道の陸路と天竜川の水路がつながり、古くから交通・交易や戦略上の要衝となった歴史的背景がある。

■【インタビュー】無形民俗文化財の伝統のともしびを守っていきたい
浜松市無形民俗文化財保護団体連絡会
事務局長 柴田宏祐(こうすけ)さん
文化財というと、歴史ある建物や遺跡からの出土品などを思い浮かべるかもしれませんが、地元に残る言い伝えや私たちの暮らしの中にも存在しています。そこにある歴史(ヒストリー)を知れば、身近な地域の魅力をますます感じることでしょう。
浜松市には「浜松地域遺産認定制度」という市内の幅広い文化資源を市が独自に認定して顕彰する制度があるので、市民の皆さんから、地元の魅力をどんどんアピールしていただき、地域の貴重な文化財を次の世代へ伝えてほしいですね。
無形民俗文化財の各保存会では、伝統を絶やさないという熱い思いを持っています。コロナ禍の影響で開催が危ぶまれた「神澤(かんざわ)のおくない」は、市民参加の協力を得て実施することができました。定年退職後からでも遅くはありません。多くの皆さんに無形民俗文化財に触れていただき、伝統のともしびを守っていきたいですね。

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