先日、1冊の漫画を持って市長室に入ってきた担当職員からびっくりするような報告を受けました。
「市長、この漫画の舞台は全部浜松です。浜松の魅力を発信するためにつくられた作品と言っても過言ではありません」
その漫画は、講談社の人気漫画雑誌「モーニング」に連載されている「焼いてるふたり」という漫画です。浜松に単身赴任した夫のもとに、東京から通ってくる新妻との週末婚を描いた作品で、毎回浜松の魅力的な特徴が紹介されています。
この作品ができたいきさつは、モーニングの市村副編集長という方が、浜松にUターンした友人を訪ね何度か遊びに来ているうちに、すっかり浜松に魅せられ、「浜松を舞台にした作品をつくろうという」ことになり、漫画家のハナツカシオリさんとコンビを組んでスタートしたというものです。
市村副編集長はあるテレビのインタビューの中で、「浜松は海や山がすごく近く、東京からの距離もちょうどいい。住んだら楽しくやっていけるだろうなと、いつも思いますね」と、浜松の魅力について答えていらっしゃいます。
市村さんのインタビューを見て、北海道から浜松へ移住された人の話を思い出しました。その人は、「都心(街中)と山や海や湖や川など、あらゆる自然がこれほど近接している魅力的な街は、他にありません」と絶賛してくれました。私が「北海道は自然が豊かではないですか」と切り返すと、「残念ながら自然の豊かなところには街がありません」と言われたので、「札幌のような都会もあるじゃないですか」と再び問うと、「逆に札幌の近郊には自然がありません。浜松ほど都市機能と自然が近くて、バランスの取れた街はありません」と答えてくれました。
確かに浜松は、街の中心から15分で太平洋や天竜川、20~30分で浜名湖、山には1時間程度と、あらゆる自然が街に近接しています。ふだん私たちが「当たり前」と思っていた環境が、外から見るととても魅力的に見えているということに気付かされました。
漫画「焼いてるふたり」では新たな展開として、いよいよ新妻も浜松へ移り住み、2人の移住生活が始まるそうです。コロナで東京一極集中が崩れ、地方移住が始まっています。浜松にとっては、またとないこの追い風を生かし、移住者受け入れに取り組んでまいります。
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