■いのちの教育事業で伝えたいこと
子供たちの心を育む「いのちの教育プログラム」
「いのちの教育事業」の中での主な事業は、子供たちの遠足や校外学習に対応する「いのちの教育プログラム」です。動物を観察して特徴を見つけたり、動物ごとのエサの違いを学んだりする13のプログラムを用意しています。令和元年度は46団体延べ2036人が参加しました。
講師役は、毎日動物たちの世話をしている飼育員が主に務めます。飼育員は動物たちの一番の理解者であり、人と動物との懸け橋になる存在です。一緒に動物たちに触れたり、観察をしたり、話を聞いたりすることで、子供たちに発見や気付きを促します。
プログラムを通して、生きる力、自然を大切にする心、いのちを大切にする心を育てるきっかけづくりをしています。
■いのちの教育プログラムで講師を務める飼育員や獣医師にお話を聞きました。
◇生きる力を育む
プログラム名「動物の食性とからだの関係」
北島知佳(ともか)飼育員
Q.プログラム内容は?
ライオンとシマウマの頭骨を見たり触ったりしてもらいながら、動物の食べるものや体の特徴を伝えます。
Q.「生きる力」って?
生きる力は、たくましく健やかに育つ力だと思います。広い地球には、人間だけではなく、たくさんの生き物が自分の力でたくましく生きています。動物の特徴を観察して、野生でたくましく生きる姿を想像してみてほしいです。
Q.広報を読んだ人へメッセージ
動物たちはさまざまなものを食べて健やかに過ごしています。動物園では、動物たちがどんなものを食べ、どんな体のつくりをしているのかに注目して、子供たちと一緒に動物を観察してほしいです。
◇自然を大切にする心を育む
プログラム名「サルと生物多様性」
Q.プログラム内容は?
動物が生きていくためには、たくさんの生物との交わりと、豊かな自然環境が必要です。サル舎でいろいろなサルを実際に見てもらいながら、種別の特徴や食べるものなどについて説明し、生物の多様性や環境の豊かさがいかに大切かを伝えます。
Q.「自然を大切にする心」って?
地球上の自然や生き物のことを考えられる力だと思います。動物と自然を結び付けて考え、豊かな自然や多様な生き物たちに思いをはせてみてほしいです。
Q.広報を読んだ人へメッセージ
外で生き物を見たり触れたりしたときに、自然を大切にしようということを子供たちに教えてもらえたらうれしいです。
◇いのちを大切にする心を育む
プログラム名「動物たちのいのちと向き合う」
白澤純一獣医師
Q.プログラム内容は?
動物愛護教育センターに引き取られる動物たちの現状や、動物のいのちを扱う責任の重さを伝えます。子供たちには、大人でも答えるのが難しい質問を投げかけますが、こちらからは答えを示しません。子供たちに考えてもらうことを大切にしています。
Q.「いのちを大切にする心」って?
相手の立場で考えられる心だと思います。子供たちには、いのちについて考えるためのさまざまな視点を持ってほしいです。
Q.広報を読んだ人へメッセージ
いのちの大切さについて、ぜひ家族などでも話し合ってみてほしいです。
▼動物を題材にした「学び」は、教科書でも多く扱われています。
国語では小学校1年生で「どうぶつの赤ちゃん」、2年生で「動物園のじゅうい」、道徳では4年生で「動物たちの命を守る」など。また理科では、小学校3年生から中学校3年生まで、生命のつながりなどを学習しています。
▼いのちを大切にできる子供に
「生きる力」「自然を大切にする心」「いのちを大切にする心」この3つを育むことは、思いやりの心を育むことにつながると思います。
人も動物も、一つのいのちです。いのちは、一度失われたら戻ることはありません。「いのちの教育」を通して、子供たちにいのちが尊いものであることを実感してもらいたいと思っています。そして、周りの人や動物などの「いのち」を大切にできるようになってほしいです。
井口義博センター長
▽浜松市動物園
およそ90種340点の動物を飼育。中でも霊長類の展示は国内の動物園としては最大級です。国内で唯一の展示となるゴールデンライオンタマリンにも会うことができます。
※3月1日(月)〜19日(金)は臨時休園
◆動物園ホームページをご覧ください
・動物のトレーニングやごはんの様子を動画で公開しています。
・イベントや教育プログラムの実施については、新型コロナウイルス感染症の状況により判断します。スケジュールは、随時ホームページで公開します。
【HP】「わくわくはまZOO」で検索
◎この特集に関するお問い合わせは、動物園へお寄せください。
【電話】487-1122
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