3月20日、動物園に「いのちのふれあいゾーン」が新しくオープンします。ふわふわのモルモットに触れたり、もぐもぐとごはんを食べるヤギやロバを近くで観察したりと、動物たちを間近に感じることができるエリアです。
今月の特集では、いのちのふれあいゾーンを紹介しながら、動物園で行っている「いのちの教育事業」についてお伝えします。
■いのちを伝える動物園
昭和25年に県内で初めての動物園として開園した浜松市動物園。ゾウやキリンなどの珍しい動物たちに会える場所として市民に愛されてきました。また、子供たちに「いのち」の素晴らしさや大切さを伝える「いのちの教育事業」にも力を入れています(いのちの教育事業については広報誌10ページで紹介)。
平成25年度に動物愛護教育センターを園内に開設してからは、犬や猫などの身近な動物たちを通じていのちの素晴らしさなどを伝える活動も行っています。今回オープンする「いのちのふれあいゾーン」は、そうした取り組みの一環として誕生します。子供たちが「わくわく」する楽しさいっぱいの場所として、また、来園者が「ふむふむ」といのちの不思議を学べる場所として、動物園はこれからも「いのち」を伝えていきます。
■いのちのふれあいゾーン
(1)フライングケージ
鳥たちと同じ空間に入って、鳥たちが生活している姿を観察できます。
▽ここに注目!
さまざまな種類の鳥たちが暮らしています。種類によって、くちばしや羽根の形が違うので、ごはんの食べ方や歩き方、飛び方を比べてみよう。
(2)ふれあい棟
モルモットやウサギ、ハリネズミなど、小動物を飼育しています。イベント時には触れ合うこともできます。
▽ここに注目!
ふれあいイベントを通して、小さな動物たちのぬくもりや心音などを感じてみよう。
(3)ヤギ・ヒツジ
似ているようでちょっと違うヤギとヒツジ。毛質の違いや体格などの品種の特徴を間近で観察できます。
▽ここに注目!
ごはんを食べている姿を近くで観察できます。瞳の形や大きなひづめなどに注目してみよう。
(4)ロバ
散歩するロバの体を間近で観察できます。
▽ここに注目!
運が良ければ、鳴き声を聞けるかもしれません。童話などでは「ヒヒーン」と表現されますが、実際はどんな鳴き声か、確認してみよう。
(5)カンガルー
およそ20頭のクロカンガルーたちに会えます。筋肉が付いた後ろ足や太く硬い尾などの体の特徴を観察できます。
▽ここに注目!
クロカンガルーはおなかの袋で赤ちゃんを育てます。赤ちゃんがいるか、探してみよう。
(6)ポニー・ミニチュアホース
ブラッシングや足洗いなどのポニーたちの日々のケアを見ることができます。散歩する様子も観察できます。
▽ここに注目!
ポニーもミニチュアホースも同じ「ウマ」ですが、品種や個体によって模様や大きさが異なります。どんな違いがあるか、じっくり見てみよう。
◆飼育員の仕事ものぞけるよ
獣舎の掃除や動物のごはんの準備、動物の健康観察を行っている様子を見ることができます。動物たちが健やかに過ごすために、飼育員が日々どのような仕事をしているか、のぞいてみましょう。
※体や表情の変化だけでなく、動き方や排泄物なども観察しています。
◆思い出に残る場所に
「いのちのふれあいゾーン」は、動物たちとの触れ合いを通じて、いのちの大切さを楽しく学んでもらえる場所です。今までのふれあい広場と比べ、規模が大きくなり、より多くの人に楽しんでもらえるようになりました。どの動物もかわいいですよ。新しく仲間に加わるミニチュアホース(大型犬より小さいサイズのウマ)も珍しい動物なので、ぜひ会いに来てください。
健やかに暮らしている動物たちの姿は、きっと皆さまの心を癒やし、「いのちのふれあいゾーン」を思い出に残るような場所にしてくれると思います。
岩渕肇(はじめ)園長
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