■第12回 「男女共同参画」で自分らしく生きることができる社会の実現を!
「『男女共同参画』って聞いたことあるけど、よく分からないなぁ」と思われている人は多いのではないでしょうか。男女共同参画とは、「男だから、女だから」と性別だけで役割を決め付けるのではなく、一人一人が持っている能力を十分に発揮して、あらゆる分野で主体的に活動できることを意味します。男女の区別をなくして人間の中性化を目指すといった発想や、専業主婦や家族のあり方、ひな祭りなどの伝統文化を否定することではありません。
「男は仕事・女は家庭」「男は中心的役割・女は補佐」といったように、それぞれの役割を性別だけで決め付けることを「固定的性別役割分担意識」といいます。
「料理は得意な人がする」「会長はとりまとめが上手な人がなる」といったように、その人が持っている能力が最大限に生かされることが、男女共同参画が目指すべきものです。
近年、女性の社会進出が進んでいますが、「家事や育児、介護は女性が行うもの」といった意識はいまだ根強く残っています。2019年に浜松市が行った市民アンケートによると、平日の1日あたりの家事・育児・介護時間は、女性が5時間5分であるのに対し、男性は1時間9分と大きな開きが見られます。
働く女性の多くは仕事に加えて家事・育児・介護といった大きな負担を背負っています。そのため、男女がともに安心して働き続け、生活していくためには、男性の家事・育児・介護参加やワーク・ライフ・バランスの推進が必要です。
▼平日の家事・育児・介護などに従事する平均時間
世界経済フォーラムが2019年12月に発表した世界各国における男女間の格差を測る指標「ジェンダーギャップ指数」では、日本の順位は153カ国中121位でした。特に、政治・経済分野において日本は世界に大きく遅れをとっており、深刻な課題となっています。SDGsの5番目の目標「ジェンダー平等を実現しよう」達成のため、性別だけで役割を決めてしまうのではなく、一人一人の意思や能力、個性をお互い尊重し合うことで、あらゆる分野で男女がともに自分らしく生きることができる社会の実現を目指しましょう。
▼男女間の格差を測る指標「ジェンダーギャップ指数」
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