■一念発起の筋トレ
長引く新型コロナウイルス感染症の影響は、経済にも深刻な打撃を与えていますが、その中で例外的に好調なのが「巣ごもり需要」と言われる消費です。
特に在宅時間が長くなると運動不足になるので、家でのトレーニングがブームだそうです。先日「ケトルベル」というやかん型の重りが、昨年の3倍以上の売れ行きで、製造会社が驚いているという記事を見ました。また、量販店の売り上げ上位に、筋肉増強のためのプロテインが急上昇したという記事もありました。
いずれにせよ筋トレが注目されるのはいいことであり、一過性のブームに終わらないことを祈ります。人生100年時代を迎え、老化を防止し健康寿命を伸ばすためには、適度に筋肉を鍛え続けることは重要だと言われています。
私も54歳の時に一念発起して筋トレを始め、はや10年が経ちます。それ以前は特に運動はしておらず、体重が74キログラム、ウエストは90センチメートル近くあり、健康診断のたびに「メタボ」と指摘されていました。「このままではまずいなぁ」と思っていた矢先に、1冊のダイエット本に出合いました。著者はNHKのディレクターで、「毎日体重を記録するダイエット法」と「筋トレ」についての体験談がつづられていました。特に衝撃的だったのは、やる気さえあれば、運動は「いつでもどこでもできる」という指摘でした。番組制作で忙しい著者は、時間を見つけては事務所や出張先で筋トレに励み、劇的に体型を変えたのです。仕事を口実に筋トレは無縁と思っていた私にとっては、まさに「目からうろこ」でした。
「やる気になれば、運動はできる」というのが私の出した結論で、毎朝30分早起きして筋トレを始めることを決意しました。以来、10年間ほぼ毎朝トレーニングに励んでいます。スクワット100回から始めて、腕立て伏せ、倒立腕立て伏せ、腹筋運動、背筋運動、柔軟運動、体幹トレーニングなど、自分で日々のトレーニングメニューをつくり取り組んでいます。同時に始めた体重を管理するダイエットと併せて、私も劇的に体型が変わりました。現在は体重が61キログラム、ウエストは76センチメートルです。身長が169センチメートルですので、理想体重と言われています。かつて健康診断のたびに「メタボ」と指摘されていた私が、医者から体型と筋肉量を褒められるようになりました。
ちなみに市役所では、エレベーターを一切使わず、階段で移動をしています。どうせ移動するなら、移動自体をトレーニングに変えようと考えたからです。その気になれば、いつでもどこでも運動はできるものです。
来年は私もいよいよ65歳。定義上は高齢者になりますが、厚かましくも心身ともに30代のつもりです。健康寿命日本一の浜松市長として、今後も筋トレを続けていきたいと思います。
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