◆甘くてジューシーな都田産シャインマスカット
今月の表紙は、糖度が高く皮ごと食べられることで人気のシャインマスカット。北区都田地区でブドウを栽培している波多野善弘(よしひろ)さんにお話を伺いました。

ミカンの産地だった都田地区でブドウ栽培が始まったのは、およそ50年前。夏場の収入確保のために夏の果物の栽培を検討していたとき、農業関係者がたまたま訪れた長野県のブドウ畑を目にしたことでブドウ栽培の導入が決まり、品種はマスカット独特の香りを持つ「ピオーネ」が選ばれました。
都田のブドウが一躍有名になったのが、1982年(昭和57年)に開催された東京サミット。各国首脳に提供するデザートとして都田産のピオーネが採用され、それを食べたイギリスのサッチャー首相(当時)が「こんなにもおいしいブドウが日本にあるの!」と絶賛し、その記事が新聞に掲載されたことがきっかけでした。
私の農園では数年前から「シャインマスカット」も栽培するようになりました。果皮が薄くて種もないため食べやすく、とても甘いと人気です。新しい品種をお客さまに提供するためには、豊富な知識と時間が必要となりますが、これからも浜松のみなさんに、おいしいブドウを提供し続けていきたいですね。
最後に、おいしいブドウを選ぶポイントをお伝えします。ブドウはメロンやモモのように追熟(収穫後、一定期間置くことで、甘さが増したり果肉が柔らかくなったりすること)する果物ではないため、鮮度が一番大事です。軸が緑色のものがオススメですよ。