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【特集】浜松城の四百五十年を振り返る・2

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静岡県浜松市

■大名の城から市民の城へ
◇明治から昭和初期の浜松城
およそ260年続いた江戸時代が終わり、新たな時代が幕を開けます。浜松城は明治政府が所有することになり、1873年には全国144城の廃止を決定した「廃城令」によって、浜松城も正式に廃城となりました。やぐら・門などの建物が公売にかけられ、その後の行方は分からないものばかりです。
浜松城の大部分は民有地化され開発が進み、昭和初期には市街地になりました。天守があった場所には展望台が建てられ、観光施設として親しまれるようになりました。

◇戦後浜松の復興と天守への憧れ
1945年、空襲によって浜松市の中心部は焼け野原となってしまいます。天守台の周りの森は丸裸となりましたが、幸いにも石垣はその姿を留めました。戦後の浜松は、繊維、楽器、オートバイの三大産業の発展を推進力に順調な復興を遂げ、わずか数年で商店や住宅街が立ち並ぶまでになります。浜松城跡地には、1948年に元城小学校が開校、1950年には公園が開園し、市制40周年記念事業として浜松こども博覧会が開催されました。
博覧会の会場内には科学博物館、電気通信館、発明館といった、子供向けの展示館のほか、動物園が併設されました。展示の一つとして、天守台の上にはベニヤ製の浜松城が建てられ、展望台として活用されました。そして、天守再建の機運が高まっていきます。

◇市民の天守が再建される
高度経済成長期の最中、戦争で焼け野原となったまちの復興を示すシンボルとして、天守再建の動きが全国各地で起こります。浜松城の天守再建も、このブームの中で行われました。
浜松城の天守再建は、市民の募金によって行われます。市内に募金箱を設け、大募金運動が展開されました。そして、1958年には総工費1395万円(うち800万円が寄付)をかけ、天守が再建されました。

◇私たちの浜松城
その後浜松城は、1959年に、天守曲輪や本丸を中心に市の史跡に指定され、さらに2014年には市制100周年を記念して天守門も再建されました。450年の時を経て今ある浜松城は、現在、私たちの心のシンボルとして、市民に親しまれています。

▼浜松城の歴史をもっと知りたい
浜松市博物館家康公築城450年記念事業
特別展「浜松城-築城から現代へ-」

○浜松城の絵図が全国から集まる!
現存する中では最も古い城下の絵図や、明治時代の廃城前の絵図などを展示します。
○浜松大工の貴重な資料を公開!
浜松城の建設に関わった家に残る浜松大工の資料を公開します。

内容:家康公が引間城を浜松城と改めた頃から、廃城以降の城の様子や歴史を、絵図や発掘調査の成果などの関連資料を交えて紹介します。
期間:10月17日(土)〜11月29日(日)
月曜日(11月23日(月)は除く)と、祝日の翌日は休館日
観覧料:一般500円、高校生200円、70歳以上250円中学生以下、各種障がい者手帳を持っている人および介添人1人は無料

●記念講演会を開催します!
内容:「浜松城と家康の城」(城郭考古学者/奈良大学教授 千田嘉博(せんだよしひろ)さん)
日時:10月18日(日)午後2時〜
会場:クリエート浜松2階ホール(中区早馬町2-1)
定員:80人(要申込・応募者多数の場合は抽選)
申込:【往復はがき】博物館(〒430-8018中区蜆塚四丁目22-1)へ。
※記載方法は下図参照(詳しくは広報紙面をご覧ください)
※1通につき1人の申し込み
締切:10月2日(金)必着

【市HP】「浜松市博物館」で検索

▼浜松城天守閣最新情報
来年、天守閣内の展示内容がリニューアルされます。空間装飾の変更やデジタルコンテンツの活用が予定されています。

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