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【特集】プラスチックから考えよう私たちのくらしと海のごみ・1

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静岡県浜松市

レジ袋の有料化が始まり、エコバッグを使うなどの取り組みが広がっています。
今回は「プラスチックごみ」に注目します。プラスチックごみが、自然環境や人に与える影響をよく知り、わたしたちにできることを始めていきましょう。

◆とても便利なプラスチック 使用量は年々増加
プラスチックは、形状の加工や着色がしやすく、安価に製造できる素材です。そして、軽くて丈夫で、錆びたり腐ったりせず衛生的でもあり大変便利です。そのため、飲料や食料などの容器包装、文房具、電化製品など、多くの製品に使われ、世界のプラスチック生産量はこの50年で20倍以上に増えました。
私たちの生活になくてはならないものになっている一方で、プラスチックの「資源循環」や、プラスチックごみの「海洋流出」が国際的に問題となっています。

▽プラスチックの循環
製造
●問題(1)大量消費

消費

排出
●問題(2)海洋流出

焼却・埋立

リサイクル

▽日本の廃プラスチックの処理方法

出典:(一社)プラスチック循環利用協会

▽日本はプラスチック廃棄大国
日本の1人当たりのプラスチック製容器包装廃棄量は、米国に次いで世界で2番目に多いといわれています。

●問題(1)大量消費 資源循環と地球温暖化
日本の廃プラスチックの有効利用率は8割を超えますが、そのうち新たなプラスチック製品に再生されるものなどは3割弱で、残りの6割近くは、燃料化や発電など、プラスチックを焼却して得られる熱エネルギーとしての利用です。
プラスチックの原料は主に石油です。プラスチックを燃やすと、二酸化炭素が発生するため、地球温暖化につながってしまいます。二酸化炭素の排出量を減らし、限りある資源を有効に利用するには、使用量を減らすこと、次にプラスチック製品としての再利用などにより資源循環を推進することが大切です。

●問題(2)海洋流出 海洋プラスチックごみ問題
「海洋プラスチックごみ問題」とは、レジ袋やペットボトル、漁具などのプラスチックが、ポイ捨てや不適切な処分により海を漂い続けることで生じる問題です。
海の生き物がごみを餌と間違えて食べてしまったり、生き物の体に絡まったりして死んでしまうことがあります。また、「マイクロプラスチック※」に吸着した有害物質が食物連鎖を通じて濃縮され、生態系や人体に影響を及ぼすのではないかと心配されています。風や潮流により、ごみが溜まりやすい場所では、水がせき止められて、洪水など災害の原因にもなっています。

Q.プラスチックは自然に分解されないの?
A.極めて長い間分解されません。一度自然界に流出すると数百年も存在し続けるともいわれています。

Q.※マイクロプラスチックって何?
A.5mm以下の微小なプラスチックごみのこと。大きいプラスチックが、風や波、紫外線などにより少しずつ形を変え細かくなったものや、洗顔料や歯磨き粉のスクラブ剤など、小さいサイズで製造されたものもあります。回収が困難。

Q.海洋プラスチックごみに困っているのは、海の生き物だけ?
A.食べ物などを通じて、私たち人間もプラスチックを食べてしまっています。海外の研究では、1人が1週間に摂取しているプラスチックは、クレジットカード1枚分(およそ5g)という報告もされています。

Q.生き物はどうしてプラスチックごみを食べてしまうの?
A.海中を漂う小さなプラスチックが、餌となる海藻やプランクトンに似ているためです。ウミガメがプラスチック袋をクラゲと間違えて食べることもあります。

Q.どれくらいの海洋プラスチックごみがあるの?
A.日本からは2〜6万トン、世界中で800万トンのごみが毎年海へ流出していると試算されています。

◎この特集に対するお問い合わせは、環境政策課(【電話】453-6149)へお寄せください。

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