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【特集】浜松ものづくり企業の新事業・新分野への挑戦・2

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静岡県浜松市

■新事業・新分野に挑戦する企業の声
既存のものづくり技術を生かして、新たな事業・分野を開拓した企業の皆さんにインタビュー
▽インタビュー項目:
・新事業・新分野開拓のきっかけ
・新事業・新分野開拓を始めて、どのような気付きや変化があったか

▼部品製造×健康・医療
【主要】車やオートバイの部品製造

○新:マグネシウムを使った、世界一軽い「車いす」を開発

◆橋本エンジニアリング株式会社
DATA:
【所在地】浜北区平口
【従業員数】80人

▽きっかけは?
リーマンショックを経験し、不況に左右されない、今までとは異なる分野で「オンリーワン」の技術を極めようと思ったからです。一般的に加工が難しいと言われているマグネシウムですが、部品の製造でマグネシウムを扱った経験を生かし、医療・福祉分野への挑戦を試みました。

▽気付き・変化は?
自社の新たなブランディングにつながり、社員が仕事に自信と希望を持つようになりました。

◆代表取締役 橋本裕司さん
マグネシウムの軽さに着目して開発した、世界一軽い車いす。パラリンピック選手と契約し、現在、競技用車いすを開発中。

▼卓上加工機×健康・医療
【主要】机上で使える3Dプリンターなど、卓上加工機の製造販売

○新:歯の詰め物や被せ物を作るデンタル加工機の開発を主力とした「DGSHAPE株式会社」を創立

◆ローランドディー・ジー・株式会社
DATA:
【所在地】北区都田一丁目
【従業員数】560人

▽きっかけは?
なんでも挑戦してみるという社風のもと、自社で得意としていた卓上の加工機製造を応用し、歯科用加工機製造に挑戦したのが始まりです。機械の小型化技術やきれいに削る品質、機械の信頼性は私たちがずっと培ってきたものであり、デンタル分野においてもうまく生かせると思いました。

▽気付き・変化は?
新しい会社を創立することは、人材育成に大きく寄与すると感じました。また、新分野への挑戦により、ニーズを素早くキャッチしたり、想像力を膨らませたりする力が培われると思います。

◆DGSHAPE株式会社 代表取締役社長 尾藤寿さん
歯型製造のデジタル化を受け、3Dデータと切削加工の技術を組み合わせ、卓上のデンタル加工機を開発した

▼装置製造×光・電子
【主要】車の部品や半導体を作る装置の製造販売

○新:レーザーの受注加工を行う「株式会社ナノプロセス」を創立

◆株式会社アルプスエンジニアリング
DATA:
【所在地】西区大久保町
【従業員数】87人

▽きっかけは?
レーザーとの出会いは偶然で、展示会で知り合ったレーザー企業とレーザー装置開発の話をしたのが始まりでした。

▽気付き・変化は?
装置製造と、その装置を使った部品加工をそれぞれ別会社で行うことにより、役割分担が明確となり、お互いの立場から幅広くものづくりを捉えられるようになりました。また、会社としても、ものづくりの手段が増え、お客様に対しさまざまな提案ができるようになりました。

◆株式会社ナノプロセス 代表取締役 刀原寛孝さん
半導体向けのセラミックス(陶器のような材料)に、繊細な加工を施す

▼部品加工×デジタル
【主要】車などに使われる部品のバリ取り(※)

○新:バリ取りロボットの開発協力、プログラミングをする「株式会社F.O.D」を創立

◆藤本工業株式会社
DATA:
【所在地】浜北区新原
【従業員数】50人

▽きっかけは?
バリ取りは、製品の精度を左右する大切な工程ですが、3Kと敬遠されがちで、人材が集まりにくいのが現状です。人の安定が品質の安定に直結する仕事ですので、人の負荷を減らすために自動化は必然だと思い、ロボットの導入を考えました。

▽気付き・変化は?
ロボットの開発に携わるうちに、自分たちが現場で当たり前にやっていた、ささいな作業そのものこそが、ノウハウであり、価値のあるものだと気付きました。

◆専務取締役 藤本武洋さん
※「バリ」とは、金型を使った金属部品の製造過程で発生する残留物。たいやきの羽のようなイメージ。これを削り取る作業が、「バリ取り」です。

▼金型製造×デジタル
【主要】車のエンジン部品の金型設計・製造

○新:多品種・小ロットの製造工程を管理するシステムの開発・販売・サポートを行う「シンクビジョン株式会社」を創立

◆ベントム工業株式会社
DATA:
【所在地】中区高丘西
【従業員数】20人

▽きっかけは?
私たちが取り扱う金型は、多品種・小ロット生産であり、それぞれの納期や個数、設計の変更が頻繁に起こるため、現場のスケジュール管理は大変煩雑です。従来までの手書きの工程表による管理に限界を感じ、工程管理支援システムの開発を始めました。

▽気付き・変化は?
システム開発においては、誰でも操作できることを大切にしており、数カ月に一度は、現場の意見を聞きながら改良を行っています。これにより、ヒアリングを受ける現場の社員にとっても、作業の手順や方法について、新しい見方に気付くきっかけになっています。

◆代表取締役 本田大介さん
金型製造工場で、現場の社員が直接、工程管理システムを操作

■補助金の他にも、このような支援をしています
◇ビジネスプロデュース力養成ラボ(通称:B-LABO)
ビジネスを企画するスキルを身につけることを目標とし、新製品やサービス開発、価値作りなどを学び、自らの事例として検証する講座です。

◇ベンチャー経営塾
ベンチャー企業の経営者や創業希望者を対象に、グロービスの講師陣により経営戦略やマーケティングなどのスキル・ノウハウを学びます。

◎この特集に対するお問い合わせは、産業振興課へお寄せください。
問合せ:産業振興課
【電話】457-2044

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