古くから、ものづくり技術を基盤として栄えてきた浜松。
市内では数多くのものづくり企業が活躍しています。
近年、これらの企業を取り巻く環境は、大きく変化してきました。
生産拠点を海外に移す企業が増えていることに加え、デジタル技術の発展に伴い、特に輸送用機器産業では、100年に一度と言われる変革の波が訪れています。
時代の流れに合わせて、浜松のものづくり企業は、新しい事業を興し、新しい分野へ進出する第二創業に挑戦し続けています。
◆浜松市の産業
浜松市の産業は、江戸時代から続く綿織物と製材業を起源とした、繊維、楽器、輸送用機器の三大産業を中心に、発展してきました。特に近年は、車やオートバイなどの輸送用機器産業が地域経済のけん引役となっており、本市の製造品出荷額(2兆円ほど)のおよそ半分は、輸送用機器産業によるものです。
本市の経済基盤ともいえる製造業の多くは、メーカー企業を頂点とするピラミッド型の産業構造を成しており、このような形態が、関連する中小企業の技術や経営の高度化に貢献しています。
◆製造業を取り巻く環境の変化
2008年のリーマンショックによる世界規模の景気後退により、世界の需要が大幅に減少しました。また、新興国の成長や経済・生産活動のグローバル化が進むとともに、為替の円高が続いたことなどから、特に日本の製造業においては、“現地調達・現地生産”への移行が加速。自動車部品をはじめとする製造業の多くが、生産拠点を海外に移しました。
また、本市の製造業の中でも大きな割合を占める輸送用機器産業にも、AIやIoT(※1)など、デジタル技術の発展に伴い、変革の波が押し寄せています。特に、その影響が大きい分野が自動車産業です。
このような中、自動車産業は、「CASE」(※2)と呼ばれる技術革新により、「100年に一度」と言われる変革期を迎えています。この変革により、ガソリン車に比べ部品数がはるかに少ないEV(電気自動車)に生産がシフトすれば、従来の自動車関連企業にも大きな影響を及ぼします。
ものづくり企業を取り巻く環境は、時代と共に移り変わります。こうした環境の変化に合わせて、新たな挑戦を試みる企業も登場しています。
◆自ら進化するものづくり企業
ものづくり企業は、時代に合った新しい在り方を模索し、自社の主要事業を核に、新たな産業の創出を試みています。これからの成長分野を融合させた新技術・新製品の開発や新事業展開など、創造と革新への取り組みは、大企業をはじめ、市内中小企業にも広がり始めています。市も新事業・新分野に挑戦する企業に対して、さまざまな制度を準備し、支援しています。
※1:Internet of Thingsの略。ものをインターネットにつなぐこと。
※2:Connected:車のつながる化、Autonomous:自動運転化、Shared・Service:シェア・サービス化、Electric:電動化の頭文字を取った造語
■成長6分野を積極的に応援!
市では、既存のものづくり技術を核に、業種や分野を超えた変革を支援する制度を展開しています。
これからの成長が見込まれる、次世代輸送用機器、健康・医療、新農業、光・電子、環境・エネルギー、デジタルネットワーク・コンテンツの成長6分野において製品開発を行う中小企業に対して、最大1,000万円の資金援助をする「新産業創出事業費補助金」の交付など、積極的な支援を行っています。
【市HP】「新産業補助金」で検索
●市の支援制度を利用して開発された製品例
▽蓄電池(株式会社ティーアールシィー高田)
釘を刺しても発火しない!次世代の高寿命な蓄電池
▽クレープロボットQ(株式会社モリロボ)
見た目も楽しい、カラフルな薄皮クレープが、誰にでも作れるクレープロボット
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