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【特集】フラワーパーク次の50年へ・1

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静岡県浜松市

今年、フラワーパークは開園50周年を迎えます。昭和45年に人々の憩いの場として開園し、以来さまざまな展示やイベントで人々を楽しませてきました。そして、次の50年に向かい、今も進化を続けています

▼昭和45年
フラワーパーク開園/市制60周年記念事業の一環として建設され、開園からわずか半年で50万人が来園した。

▼平成14年
大規模リニューアル/日本で初めてサッシを使わないガラス工法を採用した大温室「クリスタルパレス」が誕生した。

▼平成21年
浜松モザイカルチャー世界博2009/花と緑の立体アートであるモザイカルチャー世界博が日本で初めて開催された。

▼平成26年
浜名湖花博2014/2004年に開催された「浜名湖花博」の10周年事業として開催。ガーデンデザイナーの吉谷(よしや)桂子さんによる「スマイルガーデン」が披露された。

■みんなが望んだ憩いの場
フラワーパークが開園した昭和45年は大阪万博が開催された年。日本は高度経済成長期の真っ只中で、浜松も産業や経済の成長に伴い、全国有数の地方中核都市へ急速に成長していました。昭和44年には、市内を東西に横断する浜松バイパス(現在の国道1号)と東名高速道路が開通。45年には市内を北上し、浜北や北遠へつながる国道152号も開通しました。
幹線道路の整備も進み、市内が都市化していくにつれ、市民から緑に囲まれた憩いの場を求める声が上がりました。当時、市民一人当たりの公園面積は、国が定めた標準値のおよそ4分の1で、自然に親しみくつろげるフラワーパークの建設は、多くの市民の願いでした。

■人々に愛された「花の図書館」
市民の憩いの場、花き産業の振興、貴重な植物の収集・研究、そして観光振興などを目的に、昭和45年、フラワーパークは開園しました。
園内には大温室や大噴水池、滝の他、延べ5千平方メートルの花壇と、9万平方メートルにわたる芝生を敷き詰めた憩いの場を設置しました。また、「花の図書館」というテーマで、世界中から集めた多種多様な植物を展示しました。
花をコンセプトにした公園は全国的にも珍しく、フラワーパークは多くの市民に愛される施設となりました。

■進化し続けるフラワーパーク
昭和53年にはマンガ絵の花壇を作ったり、平成2年には梅園や見晴らしの丘を整備したりするなど、フラワーパークは開園後も着々と見どころを増やしていきます。そして、平成14年には大規模なリニューアルを実施。光あふれるガラス張りの大温室やレストランと売店を備えたメインエントランスなど、新しい施設を追加して、より魅力ある花の公園に生まれ変わりました。
平成25年に塚本こなみ理事長が就任。世界一美しい「桜とチューリップの庭園」をはじめとした、美しく迫力ある展示や四季折々の花が楽しめる施設として話題を集め、今では、海外からの来園者も増えています。
これからも愛される施設であるために、フラワーパークは今後も進化を続けていきます。

◆年ごとに良くなっていくフラワーパークに、ぜひお越しください。
フラワーパークは、人々の憩いの場や花き産業の振興拠点となることなどを目的とした施設です。勤務して今年で45年目を迎えますが、フラワーパークがどんな時代でも来場者に愛される施設であるために、時代の変化に合わせたリニューアルを行い、より来場者に楽しんでもらえるような見どころを増やしてきました。
これからも、世界一美しい「桜とチューリップの庭園」や藤など、見どころはますます充実していきます。展示も、植物の成長に合わせて手を入れ、年ごとにより良いものにしていきます。ぜひご来園いただき、美しい花々を見て、感動を味わってください。
佐原義彦園長

◆佐原園長に聞く~フラワーパークでは、こんな研究もしていました!
○品種改良
市内花き産業の振興拠点として、植物の品種改良も行ってきました。フラワーパークで誕生したオリジナル品種の一部を紹介します。

品種改良(1):グリーンウィンド
グリーンウィンドは平成12年に誕生した菊のオリジナル品種です。
中国から導入した「新緑萍(シンリューピン)」と園内で育成した「緑ぎく」を交配し、色合いや花弁のよじれ具合で品種を絞り込みました。動きのある花弁と深みのある緑色が特徴です。

品種改良(2):雛八丈(ひなはちじょう)
八丈島のオオシマザクラと雛桜(シナミザクラとカンヒザクラの雑種)を交配して、誕生した品種です。
一重の淡いピンクの花が大変美しく、ソメイヨシノより2週間早く見ごろを迎えます。

○有用植物研究
「有用植物(=人の役に立つ植物)」をテーマに、開園当時の園長である古里(ふるさと)和夫さんを中心に研究していた内容の一部を紹介します。

有用植物研究(1):キャッサバ(タピオカ)
昨年若い世代を中心に大ブームを巻き起こしたタピオカの原料。フラワーパークでは、50年前にすでに食用の実験を行っていました。

有用植物研究(2):ぺピーノ
ぺピーノは、南米のアンデス高地に自生するナス科の植物です。洋ナシとメロンを合わせたような甘みがあります。地元農家と協力し生産開発を進めました。

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