■地球温暖化防止で日本をリード
菅義偉内閣総理大臣は、最初の所信表明演説で「我が国は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことをここに宣言する」と表明されました。カーボンニュートラルとは、CO2やメタンなどの温室効果ガス排出量を、森林吸収や排出量取引などで吸収される量を差し引いて、全体としてゼロにすることです。
温室効果ガスの影響で、地球の大気温が上昇し、台風などが大型化することにより、毎年想定外の猛烈な風水害に見舞われるようになりました。しかし、これは日本だけのことでなく、世界中でも同様の現象が起こっています。このまま気温が上昇し続ければ、さらに大きな風水害が発生しますし、北極などの氷が解け、閉じ込められていたコロナのような未知のウイルスが、地上に解き放たれる危険性も出てきます。
いずれにしてもこのまま大気温上昇を放置すれば、人類滅亡の危機につながりかねません。既に世界の国々は、次々とカーボンニュートラルを宣言しています。日本も地球温暖化防止に対して、応分の責任を果たしていかなければなりませんので、菅総理の宣言は、国際社会に対して日本の決意を示すものとして、とてもよかったと思います。
浜松市は今年の3月、2050年に温室効果ガスの排出ゼロを達成するために、国に先駆けて「RE(アールイー)100宣言」を行いました。「RE」とは再生可能エネルギーのことで、2050年には浜松市内で利用される電力を、100%再生可能エネルギーで賄うという意味です。
浜松市は全国の自治体の中で、太陽光発電の発電量日本一のみならず、風力、バイオマスなどを含めた再生可能エネルギーの発電量でも日本一です。そこで
(1)今後も再生可能エネルギーの導入促進を図ること。
(2)エネルギーを節約する「省エネ」を徹底すること。
(3)温室効果ガスの吸収源である森林整備を進めること。
この3つの取り組みに加え、佐久間ダムなどの既存の水力発電を加えると、2050年に「RE100」と温室効果ガス排出ゼロを達成することは十分可能です。
多くの自治体がカーボンニュートラルやRE100を宣言していますが、中身を見ると今後の技術革新に依存するところが大きく、技術革新が進まなければ、目標達成ができません。その点浜松市は、技術革新に頼らなくても、今進めている取り組みを継続していけば、十分達成が可能です。地球温暖化防止の取り組みでも日本をリードしていきたいと思います。ぜひ市民の皆さまにも、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
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