■第10回 誰のために?何のために?
交通安全思想やそれに基づく安全運転などの行動がSDGsにどう関係するのでしょう?SDGsの3番目の目標は「すべての人に健康と福祉を」です。全ての人々が健康的な生活を送り、安心に暮らすためには、交通安全思想が欠かせません。
交通ルール・マナーの大切さや安全運転を否定する人はまずいないと思います。でも、ひとたびハンドルを握ると…。一例ですが、交差点で対向車線に右折車がいても平気で黄色や赤信号で進行する車が多数います。これは自分のことしか考えていないとても残念な行為です。対向右折車との事故の危険性はもちろん、対向右折車のドライバーにイライラと焦りを生み、タイミング次第では交差側の青信号で渡り始めた歩行者や発進する車と接触する危険があります。
基本的に信号は「黄:止まれ」「赤:止まっている」「青:進行OK」です。ルール無視は、全体の交通秩序を乱し事故リスクを高めます。市内には多くの人や車が行き交っています。交通ルールは全員が安全に通行するための約束ごとであり、「自分一人くらいは…」は許されません。
次の数字は令和元年中に発生した人身事故の件数と被害にあった人数です。
交通事故は一瞬で命を奪うことがあります。想像してみてください。元気に家を出た家族が帰ってこないことを…。事故は亡くなった人の未来を奪うだけでなく、同時に遺された家族などの未来も奪います。
交通ルールがある理由も、安全な行動、安全な運転をしなければならない理由も、未来を失う人、悲しみを背負う人を生まないためです。このコラムを読んでいるあなたも、家族も、路上にいる歩行者もドライバーも誰かの大切な人です。
全員が安全に暮らすためには、一人一人が交通事故の怖さを認識するとともに事故防止の当事者であることを自覚し、自分だけでなく他者の命も大切にする運転と行動をとる必要があります。本当の安全運転とは「交通ルールやマナーを守る+自分だけでなく周りの人や他の車の安全も考えた運転」です。
交通事故を他人ごとと思わず、みんなで交通安全・安全運転に取り組むことで、みんなで交通事故の無い明るく楽しく朗らかに暮らせる浜松をつくりましょう!
◎あなたの安全運転が誰かの大切な人を守り、誰かの安全運転があなたの大切な人を守っています。
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