◆「安全・安心な飲食店」認証制度
緊急事態宣言が解除されてからしばらくの間、浜松市では新たな感染者も発見されず、日常を取り戻していましたが、突如発生したクラスターにより、再び経済が冷え込んでしまいました。特にクラスターの発生した中心街一帯の飲食店からは客足が遠のき、クラスターが沈静化し、感染拡大が収まった後も、厳しい状況が続いています。この状況を打開しなければなりません。
世界に蔓(まん)延した新型コロナウイルスは、消えることはありません。今後私たちは、「with(ウィズ)コロナ」、つまりコロナと共生する社会を生きていかなくてはなりません。その鍵は、8月のこのコラムでも触れた「デュアルモード」です。デュアルは、「二重の」という意味ですが、これは経済活動を優先する経済モードと安全を重視する安全モードの2つをバランスよく機能させることが、必要になることを意味しています。
そこで飲食店のデュアルモードを確立するために、市では「安全・安心な飲食店認証制度」をつくりました。この認証制度は、専門家の先生に監修いただいた40項目にも及ぶ感染対策を実行していただいた飲食店を「安全で安心な店」として、市がお墨付きを与えるというものです。
例えば、まず店の入り口では、お客さまの検温を行い、熱がないかどうかを確認した後、アルコールで手の消毒をしていただきます。併せて市の提供している「LINEコロナ身守りシステム」に登録していただきます。飲食を行うテーブルでは飛沫(ひまつ)を防止するため、前や左右にアクリル板などのついたてを設置していただきます。料理は大皿での提供はやめて、一人ひとりに提供していただきます。従業員の皆さんは必ずマスクまたはフェイスシールドを着用し、トングなどの利用により、直接お客さまと接触しないように配慮していただきます。店内の換気は十分に行い、空気が滞留しないようにしていただきます。こうした感染対策が40項目にも及びます。ここまで対策を施していただければ、感染のリスクを限りなくゼロに近づけることができます。
飲食店の皆さまがこうした感染対策を実施するのを支援するため、市では「3密対策補助金」制度を用意しており、最大30万円の補助を行っています。ぜひ補助制度を利用して、多くの飲食店に感染対策を実施していただきたいと思います。
認証を取得いただいた飲食店については、認証マークを交付し店に掲示していただくとともに、市ホームページなどでPRをします。また商工会議所をはじめとした各種団体を通じて情報提供をしてまいります。市民の皆さまには、感染対策をしっかり施した「安全・安心な飲食店」を、積極的にご利用いただきますようお願い申し上げます。
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