先日第27回三遠南信サミットが飯田市で開催されました。三遠南信とは、豊橋市を中心とする東三河、浜松市を中心とする遠州、飯田市を中心とする南信州の略で、この地域は長い間、県境を越えた広域連携の取り組みを行ってきました。その関係者が一堂に会する会議が三遠南信サミットで、年1回持ち回りで開催をしており、今年は飯田市の順番でした。サミットには、自治体職員だけでなく、各種経済団体、大学などの教育機関、NPOなどの市民団体をはじめ、多くの関係者が集まり、さまざまなテーマで議論を行います。
平成20年には、第1次三遠南信地域連携ビジョンを策定、推進機関として三遠南信地域連携ビジョン推進会議(通称:SENA(セナ))を設置し、具体的な事業を進めてまいりました。例えば、自治体間での災害時相互応援協定や産地連携での農産物の海外輸出など、自治体のみならず各主体も、自主的な取り組みを行っています。
第1次の連携ビジョンは昨年度終了し、今年度から第2次三遠南信地域連携ビジョンがスタートしました。第2次の計画期間である次の10年は、三遠南信連携にとって大切な10年となります。
その最大の理由は、2027年を目標にリニア中央新幹線の整備が進められることです。沿線の各県に1つ設置される駅が、長野県の場合は飯田市につくられます。またリニア中央新幹線と東海道新幹線、東名・新東名高速道路など、太平洋側の東西をつなぐ動脈を結ぶ三遠南信自動車道も、リニア開通のころまでには、おおむねの整備を終えることを目標としています。これらの整備により、三遠南信地域を取り巻く環境は大きく変わります。
今回のサミット全体会のテーマは「三遠南信地域とスーパー・メガリージョン構想」でした。メガリージョンとは、大都市とその周辺地域で構成される圏域のことですが、リニア中央新幹線が大阪までつながれば、東京―大阪間が1時間で結ばれることから、関東圏、中京圏、関西圏という、人口7千万人の巨大なメガリージョンがつくられます。そこで、この超巨大圏域は、スーパー・メガリージョンと呼ばれることになりました。
三遠南信地域は、まさにスーパー・メガリージョンのど真ん中に位置しています。時代の風は三遠南信地域に向けて吹き始めており、取り組み方次第では、大きな波及効果を得ることができます。そこで今からスーパー・メガリージョンを意識しながら、その効果を取り込むような連携を図っていかなければなりません。
また人口減少時代に突入し、自治体間、地域間の連携がますます重要になると言われており、三遠南信連携は全国的に注目されています。
令和という新時代に、新たなステージに突入した三遠南信連携を、今後も進化させてまいります。
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